武豊線内ではもっとも乗降客の多い駅で、駅員が配置されています。これは駅周辺の人口が多いからというよりも、競合関係にある名鉄河和線が大きく離れていることが大きな理由になっていると思われます。
駅舎は木造平屋建の小振りなもので、開口部が大きいいっぽう天井が高く、また大きな付け庇が印象的です。駅には「M19年1月」と書かれた建物資産標が貼付されていることもあって、しばしば「1886年に熱田-武豊が開通したときの駅舎がそのまま使われている」旨の説明が行われることがありますが、これは明らかな間違いです。
実際には、開業当時の亀崎駅は現在よりも山側にあったものと思われ[1]、1887年9月に現在位置に移転しています。その後に設置された駅舎についても、1895年3月7日に火災で焼失し翌1895年度内に新築されているという史料があることから、遡及できるのは1895年4月から1896年3月までの間までと推定できます[2]。しかし、現在の駅舎はかなり改修が加えられていることにくわえ、それ以降の改築の記録がないというのも改築されていないことの証拠となるには弱く、したがって現在の駅舎がいつの建造物かを特定するのはやや難しいといえます。
巷間なされる「日本最古の現役駅舎」という説明も、その可能性がある、という程度に考えておくべきでしょう。また、文化財としての価値にしても、素人目にも高いとは思えません。しかし、現役最古であろうがなかろうが、長い歴史を経てまことにいい味を出している駅舎であることには間違いなく、メインルートから外れていたがゆえに残ったいい雰囲気を醸し出す名装置と受け止めるべきでしょう。
駅には「みどりの窓口」がありますが、自動改札機は設置されていません(Toica対応の簡易改札機のみ設置)。改札を入ると、線路と駅本屋の間の廊下をしばらく歩いて跨線橋にいたりますが、この廊下はかつてのホーム跡であると思われます。
ホームは島式1面2線から成り、乗降客が多いこともあって幅広になっており屋根もかなり長いものですが、跨線橋は階段のみでバリアフリー設備はありません。
全般的に産業路線の色彩が非常に強い武豊線ですが、この亀崎駅周辺だけは周囲が住宅地ということもあって、生活感が非常に濃厚です。駅を出てすぐに個人商店が並んでおり、通勤通学客が集散するさまは、大都市近郊駅のそれで、古い駅舎がそれをのんびりと見守っています。
平日の朝上り2本、土休日の朝上り1本が運転される快速は、武豊線内の一部の駅にのみ停車します。
東側(駅本屋側)より順に、1番線、2番線となっています。
亀崎の地名は非常に古くからのもので、由来については地形によるものなどとする説があるものの、明確なものはありません。
中京地区では最も古い駅のひとつです。
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火災。M28年度中に再建 ※したがって現駅舎は開業当時のものではないという異例の注記がなされています。
2004年4月20日
2008年9月14日、写真を追加のうえ加筆修正