東幡豆と西浦の間、少し土地が高くなっているところに築堤が設けられており、そこに設置されている駅がこどもの国駅です。
築堤の北側にホームがあり、階段を下りて地平北側に駅舎があります。高架下ではなく駅舎を独自に設けているあたり、駅設置時の意気込みを感じさせますが、今では当然のように無人で、自動券売機もホーム上に設置されています。
改札口正面から駅の中を入ると、本来なら地下道があるべきところがコンクリートの壁で埋められているような印象を受けます。これは実際、旅客の増加にあわせて南側にもホームを設置することを想定して建設され、その際には改札口から吉良吉田方面と蒲郡方面で乗り場を分けるための設計です。もっとも、実際には利用客は増加どころか低迷の一途をたどり、さまざまなデータによると名鉄でもっとも利用者の少ない駅に数えられることが定着してしまいました。
駅の周辺は決して無人地帯というわけではなく、そこそこの民家はあります。しかし、駅周辺に商店の類がほとんどなく、この集落が経済圏を形成してはおらず、単なる農村にとどまっており、したがって地元の利用者もごくごく限られていることがうかがえます。
それでも駅前の広場は非常にゆったりしたスペースで、事実上無料開放の駐車場と化していました。パークアンドライドには確かに便利そうではありますが、駅の周りには民家がぽつぽつ建っているのみでみごとに何もありません。
実際、この駅の存続理由は、山上に設けられている施設「愛知こどもの国」へのアクセス拠点ということのみとなっています。蒲郡線が三河湾観光へのアクセス路線として活況を帯びていた時代には、それなりの利用者が見込めたのでしょうが、すでに名鉄グループが三河湾観光から全面撤退、蒲郡線も線内ローカル普通列車のみの運行となっている現状では、ここまで電車で移動してわざわざ山上の施設に向かうという利用は、考えにくくなっています。
なお、肝心の「愛知こどもの国」自体が、廃止を視野に事業見直しの検討に入ったという報道があります[1]。これが実施に移された場合、この駅の存在理由はもはや皆無になるといってよいでしょう。
駅名の由来
特記事項なし。
歴史
三河鉄道開業時に設置された駅が、改称されたものです。
- 【1929年8月11日】 三河鉄道によって三河鳥羽-三河鹿島間が開業し、
洲崎 駅開業。
周辺の見どころ
愛知こどもの国
徒歩15分、駅より送迎車あり(要予約)。ミニSLやランドトレイン、さまざまな乗り物類などを備えた子ども向けの遊園施設。起伏が大きいものの光景の変化に富むため、“動くもの”が好きな子どもには最適な施設といえましょう。入園無料、乗り物などの施設利用にはその都度支払い(おおむね安価)。[Google Map] [Mapion]
- 中日新聞-愛知「愛知こどもの国、廃止検討対象 老朽化、維持に多額経費」(2011年8月9日)。