名鉄広見線は、新可児から先の区間はローカル線としての色彩が濃厚になります。かつては閑散区間として、電化路線でありながら日中はレールバス(小型ディーゼルカー)が運行されていました。現在はすべて電車に戻っていますが、名鉄各線で導入された「トランパス」もこの区間は未導入のままになっています。
可児市街地の北側を迂回するように東へ進み、可児川をわたって水田地帯を走ると、ほどなく明智に到着します。岐阜県内には、まったく違う場所にもう一つ明智駅(明知鉄道)がありますが、こちらとは何の関係もありません。
新可児から先の区間は単線になっていますが、この新可児は、(終点の御嵩を含めて)唯一列車交換が可能な駅になっています。
駅舎は木造平屋建てのコンパクトなものですが、入母屋に袴腰を付した屋根に特徴があります。壁面は茶色の板張りになっており、改修された木造駅舎によくあるようなサイドボードがなく、どっしりした貫禄を感じさせます。ただし、青く屋根が塗られていますが、このカラーリングはどうにかならなかったのでしょうか。
なお、上に掲載した写真撮影時には駅員が配置されていましたが、現在では無人化されています。トランパス未導入なので、自動改札機もありません。また、はじめて下車したときには、駅とおそろいのような枯れた木造の売店が駅すぐ脇にありましたが、2008年に下車したときには姿を消していました。
駅は2面3線から成っており、北側から順に駅本屋、御嵩方面行き島式ホーム、新可児方面行き片面ホームという順で、ホームの新可児方にある構内踏切で行き来できます。御嵩方面行きホームの1番乗り場(北側)は、かつてこの駅から八百津方面へ伸びていた名鉄八百津線(明智-八百津)のレールバスが発車していましたが、同線が2001年9月末かぎりで廃止されたのちも御嵩方面への線路の付け替えはなされておらず、留置線としてのみ使われているようです。
新可児方面行きホームもかつては島式だったようで、ホームの南側には列車が進入できるスペースがあります。なお、無人駅でかつ自動改札機がないため、構内踏切の南側(駅本屋の反対側)から出入りする人も少なくないようです。
このほか、かつて貨物営業を行っていたこともあって構内はかなり広く、現在も当時の側線がいくつか残っています。
駅周辺には個人営業の小商店がぽつぽつと建っているのみで、かつて路線が分岐していた拠点駅の駅前風景としては、かなり寂しい印象が拭えません。駅にほど近い場所から、八百津方面行きの鉄道代替バスが発着しています。
駅周辺の集落としては、可児川を挟んで北側にある伏見集落があり、かつては中山道の宿場町でした。このため以前は、伏見口という駅名になっていました。
北側から順に、1番線、2番線、3番線となります。
確認中。
確認中。
2010年3月22日、写真を差し替えおよび追加のうえ加筆修正