西尾線(新安城-吉良吉田)と蒲郡線(吉良吉田-蒲郡)の接続駅です。一時期、両線の運転系統が西尾で分かれ、西尾-蒲郡間での列車運行が行われており、このときは実質的に中間駅になっていましたが、現在では西尾線ホームと蒲郡線ホームは完全に分離されています。
西尾線乗り場は、相対式ホーム2面2線が設けられており、大きなカーブを描いていますが、これは西尾線と蒲郡線という別々の路線をひとつにまとめたことによるものです。両ホームの間は構内踏切で行き来することができますが、西尾線と蒲郡線の運行系統が分離されたことから、基本的には駅本屋側(【写真2】右側)のホームが使用されています。
駅員が常駐している有人駅です。駅集中管理システムが導入された最後の駅(蒲郡線各駅および広見線末端区間各駅を除く)ですが、同システムが対応しているのは西尾線のみです。
駅舎は木造平屋建てのもので、青い色をした急傾斜の屋根が目を引きます。駅前は道路がカーブしており、駅舎と道路の間にスペースがあるため、列車発着時には送迎用一時駐車場と化します。
いっぽう、蒲郡線の乗り場は改札口を入って正面右側になります。こちらは改札口と並行の向きに相対式ホーム2面2線が設けられていますが、現在では駅本屋側の1面1線のみが使われており、反対側は留置線としてのみ利用され、一般利用者は向かい側のホームに移ることはできません。
蒲郡線のホームは、かつて吉良吉田から碧南へ走っていた、三河線のホーム跡地です。閑散区間ゆえ末期にはレールバスでの運行が細々と行われていましたが、2004年3月末かぎりで廃止。2008年1月に訪れた際には、ホームの入り口はロープが貼られており、立ち入りできなくなっていました。その後、西尾線と蒲郡線の運転系統がこの吉良吉田で分かれるようになった際に、再度このホームが日の目を見る形になったわけです。
停車列車 [2011年12月現在]
西尾線には最近まで特急が乗り入れていましたが、現在は急行と準急が主で、いずれも西尾-吉良吉田間は各駅に停車します。蒲郡線は全便普通列車のみです。
乗り場
1番線は旧三河線乗り場に割り当てられており、三河線廃止後も番線には変更ありません。
- 2.蒲郡線下り 西浦、蒲郡方面
- 3.西尾線上り 西尾、新安城方面
- 4.西尾線上り 西尾、新安城方面(通常は使用せず)
駅名の由来
確認中。
歴史
吉良吉田駅は、旧三河線および蒲郡線(三河鉄道の系列)および西尾線(旧西尾鉄道の系列)の接続駅で、もともと別々の駅としてスタートしました。
三河鉄道が、のちの三河線にあたる神谷(のちの松木島、現在は廃止)-三河吉田を開通させた1928年8月に設置された駅で、当時は「三河吉田」と称しました(現在、当時の開通区間は廃止されています)。1年後の1929年8月11日には、のちの蒲郡線にあたる三河吉田-三河鳥羽が開通、中間駅となっています。
いっぽう西尾線は、西尾鉄道によって1915年8月5日に横須賀口(廃止)-(旧)吉良吉田が、1916年2月12日に(旧)吉良吉田-吉田港が開通しました。西尾鉄道は愛知電気鉄道西尾線となり、1928年10月1日には(旧)吉良吉田-吉田港が廃止されます。
1941年6月1日には、名古屋鉄道(1935年8月1日に愛知電気鉄道と名岐鉄道が合併して発足)が三河鉄道を合併し、三河線と西尾線が同一会社の駅となりますが、この時点では駅はまだ別々でした。その後、1943年2月1日に、西尾線の(旧)吉良吉田駅を三河線の三河吉田駅に統合、(旧)吉良吉田駅は廃止されます。戦後の1960年11月1日に(新)吉良吉田と駅名を変更し、現在に至っています。なお、碧南方面へ延びていた三河線は、1990年7月1日より電化を廃止してレールバスを導入するなど合理化が行われたものの営業実績は好転せず、2004年3月末かぎりで廃止されています。
- 【1915年8月5日】 (西尾)西尾鉄道によって横須賀口(現在は廃止)-(旧)吉良吉田間が開業した際、吉良吉田駅開業。
- 【1916年2月12日】 (西尾)西尾鉄道によって(旧)吉良吉田-吉田港間が開業。
- 【1916年12月25日】 (西尾)西尾鉄道が愛知電気鉄道に合併、同社の駅となります。
- 【1928年8月25日】 (旧三河)三河鉄道によって神谷-三河吉田間が開業した際、暫定終着駅として三河吉田駅開業。
- 【1929年8月11日】 (蒲郡)三河鉄道によって三河吉田-三河鳥羽間が開業、中間駅となります。
- 【1935年8月1日】 (西尾)愛知電気鉄道と名岐鉄道が合併して名鉄が発足、同社の駅となります。
- 【1941年6月1日】 (蒲郡)三河鉄道が名鉄に合併、同社の駅となります。
- 【1943年2月1日】 (旧)吉良吉田駅を三河吉田駅に統合。
- 【1960年11月1日】 駅名を(新)「吉良吉田」に変更[2]。
- 【2004年3月31日】 この日かぎりで三河線・碧南-吉良吉田間が廃止。
周辺の見どころ
確認中。
- ここでは、現存する西尾線および蒲郡線に該当する区間が開業した路線ベースでの初営業日を採用。『駅名事典 第6版』中央書院、2000年では1928年8月25日開業。
- 『日本鉄道旅行地図帳 7 東海』2008年、新潮社、44ページ。