2005年1月の雑記帳


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1月9日(日)
“第3セクター鉄道の優等生”の今後

 樽見鉄道の存続を正式発表へ 沿線5市町村が方針(中日新聞 1月8日):2004年12月20日の本欄で話題にしてきた樽見鉄道は、当面は存続が決定したとのこと。しかし、もともと西濃鉄道や住友大阪セメントが大株主であった“民間主導第3セクター”が、存続させる経済合理性がなくなったと判断された結果であることはまちがいありません。当面の存続を決定した沿線自治体に、バトンが渡された格好になりますが、貨物事業がなくなり民間資本が撤退したのちの結果は、くりはら田園鉄道に見られるとおり、楽観できる要素にきわめて乏しいのが実情でしょう(くりはらに比べると沿線人口は多いでしょうが)。

 沿線の観光資源といえば、薄墨桜と根尾谷断層ぐらいしかなく、モータリゼーションに歯止めをかけるにも限界があります。しかし、大垣で1回乗り換えるだけで名古屋に直行できる、というアドバンテージを活かせば、対都市圏輸送で活路を見いだせる可能性があるように思います。北方町を東西に走っている名鉄揖斐線が今年の3月で全廃されるので、その輸送需要を多少なりとも汲み上げることも可能でしょう。楽観論は禁物ですが、乗客の減少傾向が構造的な問題であり、鉄道会社としての経営努力でどうにかなるものではなく、観光で限界があるのなら、あとは大都市への移動ぐらいしかなさそうです。

1月7日(金)
踏切の音にどう反応しますか?

 「開かずの踏切」200か所、07年度までに解消へ(読売新聞 1月6日):踏切が鳴り出すと、やおらダッシュをかけるという方をよく見受けます。素直に駆け抜けられればいいのですが、遮断機が下りても、くぐったりまたいだりして強行突破をする人もいます。危険なのは言うまでもありませんが、命がけで先へ進みたくなるというのは、“通せんぼされる”ということそのものに対して、人間が強い拒否反応を抱くからなのだろうか、などと思ったりします。

 なお、記事中で使われている「連続立体交差」というのは、一般的に使われる用語では「高架」または「地下」のことです。軌道を「平面上を走る道路との立体交差が連続」した状態にするわけなのですが、ここは素直に「高架化または地下化」と書くべきですね。

1月6日(木)
先発同名市の態度

 どうして同じ「宮古市」? 岩手側が沖縄合併に質問状(共同通信 1月5日):これまで、同一市名を頑として認めてこなかった総務省(旧自治省)が、同一市名を認める方針になり、その第1号として誕生することになった「宮古市」のおはなし。宮古島全体を単一の市にしようとすれば“宮古市”がいちばんスッキリするのは、まずわかります。同一名称で混乱が生じないと判断した理由については、そもそも府中市という“(例外ではあるが)前例”がある以上、あっさり解決できそうではあります。もっとも、この話題はずっと前にケリが付いており、宮古地区市町村合併協議会も岩手県宮古市の熊坂義裕市長には、事前に打診したが、特に異論はなかった(毎日新聞 2004年4月16日)と報道されただけに、どうしてこの時期になって“質問状”などというものが出てきたのか、よくわかりません。ところで同一名称にした場合のメリットがあれば教えてほしいとの項目もあり、反発だけではない事もアピール。とありますが、同一名称になった場合、岩手県宮古市には特にメリットがあるとは思えませんし、この“項目”は――原文を見ているわけではないので何ともいえませんが――あてつけのように見えてなりません。岩手県宮古市の市長はこの間変わっておりませんし、いろいろとわだかまりがあるのでしょうね。

 なお、「宮古」でGoogle検索すると、1番目が岩手県宮古市のWebサイト、2番目が宮古毎日新聞のWebサイトでした。その宮古毎日新聞では、「1994年10大ニュース」の2位が「揺れる市町村合併」で、その中には協議会の会長でもある伊志嶺亮平良市長は来年1月17日ごろにも岩手県宮古市を訪問し、これまでの経緯説明を予定しているとあるのですが…。

1月5日(水)
価格設定の謎

 多摩センターから高幡不動、立川南・北を経て上北台へ走っている多摩都市モノレールが、全線開業を記念して、記念一日乗車券を発売するとのこと。ここでは、一日乗車券を850円にて通年発売しているので、もう少し安くして(550〜600円程度)、沿線商店の割引といった特典を付けるのだろう、と思っておりました。ところが、具体的な内容を見てびっくり。特典については予想通りなのですが、価格がなんと200円。この200円という運賃は、高幡不動から多摩動物公園までの2駅間の片道運賃に匹敵します。この日にかぎっては、ほとんどの区間で、普通乗車券を買ったり回数券を使ったりするのは丸損になってしまいます。

 最低運賃をワンコインにして乗りやすくする一方、中距離での運賃を高くして運賃収入を確保するというのが同モノレールの手法。しかし、各種固定費の償還という重い課題をクリアするには、少しでも固定客をつかみたいという考えで、この価格設定になったものと思われます。しかし、一過性の激安乗車券を出したところで、どこまでリピータを確保できるものやら。沿線観光地は限られている以上、現在流行のウォーキングの主催、あるいは連絡鉄道線との共通イベントなどを行うほうが、効果的のように思えるのですが。

1月4日(火)
犬も歩けば

 本日の更新では、リンク集「ワープゲート」にリンク先を3つ追加いたしました。「駅の写真館」のコメント付けなどの過程で目にしたWebサイトなどを取り上げていきたいと考えておりますが、このまま増やしていくと、分類がたいへんそうです。現在は、弊サイトのメインコンテンツである「最長片道切符の旅」および「駅の写真館」と直接関連するWebサイトをまとめ、これ以外のものを順次整理する、というスタイルを取っておりますが、数が増えてくれば、カテゴリを整理する必要が出てくるかもしれません。

 もっとも、この種のリンク集というものは、増やせばよいといった性質のものではありませんし、弊サイトにて、個人サイト、あるいは小規模な団体が管理するサイトとして、そのポリシーが妥当なものという一定基準を設けております関係上、数ヶ月でいくら、という程度の増加に留まることになりそうです。この「ポリシー」には、アクセシビリティ、セキュリティ、アプライアンス(著作権関係など)といった要素がありますが、もとより一律に決定しているものではありません。また、客観的なポリシー以前に、題材を扱う姿勢が、私の考えとなじまないと判断する場合もありますから、増加率はなおのこと抑制されるでしょう。しかし、魅力的なWebサイトにたどり着くには、多少なりとも偶然的な要素もありますから、そういった“出会い”を奇貨にしたいと考えております。

1月3日(月)
のんびり

 正月早々PCにかぶりつくというのももったいないという考えもあって、のんびりと酒を飲んだり本を読んだりして、更新があまり進みませんでした。東急相鉄のコメントを加えましたが、客観的なデータをまとめることから、だんだん逸脱しつつあるような気がしなくもないので、もっとコンパクトにまとめたほうがいいかもしれません。なお、市町村合併に伴う変更は、いちおう終了いたしました。

1月2日(日)
自主拡大路線

 昨年12月29日の本欄にて年内には関東地方と、あともう1地域ぐらいを書き上げたいと考えておりますと書きましたが、とても終わらず、現在では、東武東京地下鉄(東京メトロ)関東の中小民鉄を書き終えるのがやっと。自分の知っていることだけをただ書きつらねてもしかたありませんし、あくまでも基本コンテンツは個別の駅なので、あまり手間をかけずに済ませたいのですが、日付などのデータ確認はどうしても必要。これらの裏付けが意外と大変です。ある程度信頼のおけるデータ集がそろっている部分についてはよいのですが、資料によって日付がまちまちというケースも少なくないため、裏付けに時間がかかったりすることが多いものです。

 もっとも、私が弊サイトを構築・運営していくうえにおいて、ほかにないものを呈示・公開していくというのは、むしろ副次的な要素であり、主目的は、あくまでも自分が行動した記録を第三者視点にてチェック可能な状態にすることで適度な自律化を実現し、あわせて今後の方針や方向を定めるための資料としていくことにあります。そういう“作業”の中で、弊サイトをごらんいただくことは、自分の趣味活動――というほどのものではなく、単なる道楽なのですが――が、あらぬ方向へ向かいかねないことを抑制するための担保になっているしだいです。

 そのかわりとして、いくばくかのものをお見せできれば、それに越したことはないのですが、なかなかそうもいきません。今のところは、先の見えないビッグバン的拡大のために、自転車操業を続けていくことになりそうです。

 なお、この1日にも、大規模な市町村合併があり、実質的な自治体名変更がたくさんありましたが、これらは次回以降の更新で反映させていきます。

1月1日(土)
謹賀新年

 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしく。本日は、初詣ガイドというわけではないのですが、日本各地の主立った神社の最寄り駅を中心として、「駅の写真館」に加筆して、お正月特集……と考えたものの、数社の最寄り駅を再調査しただけで疲れてしまいました。できもしないことに無理するんじゃない、ということなのでしょう。

 昨年12月30日の本欄では、首都圏の鉄道も雪に対してそれなりの体制を取るようになったと書いたのですが、21年ぶりの大晦日積雪となってしまい(私は首都圏外在住でしたので、前回についてはわかりません)、東北新幹線でも運休が相次ぎました(大みそかの列島に雪、各地で交通機関乱れる(日本経済新聞 12月31日)、ほか)。こうなると、山間部の道路などでは、凍結による通行規制が出てくるわけですが、事故が起こらないことを祈ります。

 道路といえば、「伊勢志摩スカイライン:酉年生まれ1月は通行料金を半額(毎日新聞 12月31日)」なんていう楽しい話題も。全ドライバーの12分の1をご祝儀として引き寄せようということなのか。ほかの有料道路なども、こういったユーモアを感じさせる割引などを呈示してくると楽しくなると思うのですが、鉄道やバスなどの規制業種では苦しいかな。かき入れ時の鉄道はともかく、バス業界には、もっとフレキシブルな割引システムを導入してほしいと思うのですけれど。



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