成田スカイアクセスの名称で開通した区間に唯一設けられた中間駅である成田湯川は、途中経路上で唯一まとまった人口密集地があるほか、スカイライナーをほかの列車が通過待避する拠点にするという目的も踏まえて設置されました。
このため、高架上に相対式ホーム2面2線を備えるほか、中2線の通過線が用意されており、成田スカイアクセスがスカイライナーの通過待ちを行うことが多くなっています。また、成田空港方では単線になるため、列車行き違いのための時間調整なども行われます。
ホーム上には、バリアフリー用のエレベータが設けられているのはもちろん、両ホームともにガラス張りの大きな待合室が用意されています。居住性は確かによいのですが、下り方面の待合室を利用する人が果たしてどれくらいいるものか。現状ではいささか疑問ですが、土屋地区への新駅設置などの際に、そこそこの利用者が期待できるのかもしれませんが。
ホームは地上3階にあるため、まず2階の踊り場に出て、そこから地平にある改札口に出ることとなります。改札口は1か所のみで、駅前広場にすぐ面しており、出入りに迷うことはなく、多客時の導線も問題なさそうです。もっとも、“多客時”がいつくるのか、という気もしますが。トイレも1階の改札内に用意されています。
駅前にはしっかりしたロータリーが整備されていました。2系統の路線バスが乗り入れていましたが、10~15分間隔という高密度で運行されており、運転間隔が大きいアクセス特急にくらべて、ずいぶんと利用しやすいと思ったのも事実。眺めていると、電車が接続していない便はガラガラで発車していきましたが、便数を考えると、すぐにいっぱいになるのでしょう。
駅周辺はまだまだ整備中で、駅直近からは目に入る部分には商店などはまったくなく、分譲住宅がまとまっているのみです。開発が進んでいる地域の北端にあたるためで、数分歩くとコンビニがありました。
駅舎はもちろんすべて完成していますが、私が下車したときは北側へ抜ける道路の部分が未完成でした。建設時のイメージ図などからみるに、将来的にはバス停は高架下に移るようです。そういえば、ロータリーに設置されているバス停のポールは移動可能な仮設のものでした。
いっぽう駅の北側にまわると、大きな橋脚が鉄道に平行して建っています。これは、国の事業として進められている国道464号(北千葉道路)のもので、印旛日本医大駅から成田スカイアクセスと平行に国道を整備し、東西の流れをスムーズにするというもの。
この橋脚の脇から北へと通じる道は、一軒の民家のところまでは舗装されているものの、そこから先は未舗装で自動車はとても通行できない狭隘なものになっています。JR成田線の線路にある踏切には、遮断機があるのが不思議なほどで、地図上ではいちおう松崎地区まで伸びていますが、日常的な利用にはかなり無理があるものでした。要は、現状では駅の北側からの需要はほぼ皆無といえるでしょう。
そんな成田湯川駅の高架の下を、JR成田線がアンダークロスしており、しばしば濃緑色の帯を巻いた電車が通過していきます。用地面では問題なさそうですが、JR東日本はここに駅を設置する予定はなさそうで、立派な高架駅などまるで目に入らないような感じになっています。成田空港への旅客輸送ではJRと京成がライバル関係にあるという面もあるのでしょうが、そもそも乗り換え需要がさほど多くないという計算なのでしょうか。
停車列車 [2010年9月現在]
アクセス特急のみが停車します。
乗り場
南側から順に、1番線、2番線となります。
- 1.成田空港アクセス上り 印旛日本医大、京成高砂方面
- 2.成田空港アクセス下り 空港第2ビル、成田空港方面
駅名の由来
成田市が公募によって決定した名称案のうち、新駅の所在地で地域に馴染み深い地名である「湯川」に、日本の表玄関である成田国際空港が立地する国内外で知名度の高い「成田」を冠していることで、地元に親しまれ、かつ、新駅の所在地をイメージしやすい駅名として選定
されたものです[1]。
歴史
開業前の仮称は「成田ニュータウン北」でした。正式な駅名は2009年4月28日に発表されています。
- 【2010年7月17日】 京成成田空港線(成田空港アクセス)開通に伴い開業。
- 京成電鉄プレスリリース「成田新高速鉄道 印旛日本医大駅~空港第2ビル駅間 駅名決定について」[PDF](2009年4月28日)。