週末を使って、茨城交通と日立電鉄を中心にまわってきました。3回目の茨城交通は“気軽に乗れるローカル線”としての雰囲気を残していて楽しかったのですが、廃止の話が着々と進みつつある観のある日立電鉄のほうは、どう見ても明るい材料には乏しいようです。
週末ということもあってか、路線廃止の話題を受けて家族連れがわざわざ乗っていることを多く見受けました。だいたいは、カメラなんぞを手に持ったパパが、男の子の手を引くというパターンでしたが、けっこうなお歳の夫婦が「久々の電車だねえ」という光景も見受けられました。
そんな利用者の気持ちもさることながら、私が見て愕然としたのは車両でした。風雨を受けているのはわかるにせよ、非常に汚く、埃で黒ずんでいるのです。もともと汚れが目立ちにくい赤系統の色の車両なのですが、全体がネズミ色っぽくなっており、特に窓ガラスなどは曇りガラスと化していました。一部、汚れていない電車を見かけたこともありましたが、ほとんどは“汚い電車”ばかり。一応車内はきちんと清掃されてはいますが、これでは現物を見ただけで乗る気が失せてもいたしかたないでしょう。
すでに、現場でも鉄道を大事にして維持しようという雰囲気がなくなっているのかもしれません。
今はなき和歌山県の有田鉄道では、再末期には1日2往復・土日用運休という状態にまでなっていましたが、そこでも折り返しの時間を使って、運転士氏(といっても、ほかの要員は皆無の模様でした)がきっちり洗車していました。
いつまで走れるかわかりませんけどね、走れる間はきちんと走らせてあげないとね
だいたいそんな内容の言葉を受け取った記憶があります。その後も、事実上廃止が決定しているくりはら田園鉄道なども、職員が施設をていねいに扱っているのを見ることができたのですが……。