鬱蒼とした林の中に設けられた駅

ほうらい丘
ほうらいおか
Horaioka

ほうらい丘駅

 ケーブル坂本駅を出発した後、ほどなくして到着する駅です。

 片面ホーム1面1線のみのシンプルな構成ながら、しっかりしたアスファルト舗装になっています。傾斜はケーブルカーの斜面としてはそう急なものではなく、このためホーム上には階段はありません。屋根は設けられていませんが、乗降客数を考慮すればやむを得ないでしょう。

 もっとも、ホームから降りるととたんに土だけの小広場となっています。その先はハイキングコースになっていますが、すっかり苔むしており、雨天時にはとても歩く気にはなれません。

ほうらい丘駅ホームへの出入り口

ホームのつくりはなかなか立派ですが、出入り口はこんな状態です。《2005年8月10日撮影》

 比叡山鉄道のケーブルカーには2つの中間駅がありますが、これらは基本的に通過し、乗降する旅客がある場合にかぎって停車する、珍しい形態となっています。

 そのうち坂本側のここほうらい丘駅では、列車が接近してきたら駅備え付けのボタンを押し、乗車合図をすることになっています。このボタンを押すと、案内灯(いちばん上に掲載している写真の真ん中左手、線路脇にあるオレンジのランプ)が点灯しますが、私は最初これに気が付かずに、列車に向かって大きく手を振ってしまいました。それにしても、ホーム上の合図で列車を停めるというのは、国内では他に例をみません。

 なお、列車からほうらい丘で降りる場合は、あらかじめケーブル坂本、ケーブル比叡山両駅で乗車する際に連絡する必要があります。もたて山から乗りほうらい丘で降りる場合も、駅設置の電話にてケーブル比叡山駅へその旨を伝えることになります。

乗車合図用ボタン

列車が接近したら停車させるというのは、日本全国広しといえどもここぐらいでしょう。《2005年8月10日撮影》

 ホームを含む駅一帯は鬱蒼とした森林の真ん中にあり、展望などはまったく開けていません。近くにテニスコードがあるのか「パン、パン」という音やかけ声が耳に付きました。

駅名の由来

 漢字では「蓬莱丘」と書きます。

歴史

 コメント準備中。

周辺の見どころ

蓬莱丘地蔵

蓬莱丘地蔵

蓬莱丘地蔵の入口。《2005年8月10日撮影》

 駅のすぐ脇。ケーブル建設時に出土した石仏を祀ったもので、全部で250体にのぼります。織田信長による叡山焼き討ちののち、住民が犠牲者を慰霊するため作ったものといわれています。真夏でもひんやりしており、どことなく薄ら寒さを覚えました。

(駅周辺には郵便局なし)

2006年9月8日

ご意見、ご感想などは、脇坂 健までお願いいたします。
Copyright ©1999-2007 Wakisaka Ken. All Rights Reserved.