薬師寺がすぐ隣に

西ノ京
にしのきょう
Nishinokyo

西ノ京駅

 相対式ホーム2面2線から成る駅です。最初に下車したときは橿原神宮前方面行きホームの橿原神宮前方に駅舎があり構内踏切で連絡していた記憶がありますが、現在では地下改札となり、線路の両側に出口が設けられるという形になっています。出入口の形状は和風になっていますが、薬師寺の東塔をイメージしたものといえましょうか。

 1番線の中ほどには「薬師寺」の石碑が建っており、ここの部分のみ別建てで高い屋根が設けられています。ホーム上に置かれている待合室も和風のカラーリングとなっており、駅全体が薬師寺を強く意識したデザインになっているといえるでしょう。

西ノ京駅ホームに建つ石碑

西ノ京駅ホームに建つ石碑。《2008年2月10日撮影》

 駅は平城京の六条に位置しており、西側には住宅地が広がっています。いっぽう東側にはすぐ薬師寺が近接しており、週末には観光客が多数見られます。

停車列車 [2008年8月現在]

 基本的には普通列車のみが停車しますが、土休日に一部の急行が停車します。

※土休日ダイヤの一部急行列車のみ。

乗り場

 東から順に、1番線、2番線となっています。

駅名の由来

 特記事項なし。

歴史

 大軌畝傍線開通当時からの駅です。

周辺の見どころ

 薬師寺から唐招提寺へ向かい、垂仁天皇陵の脇を通って喜光寺へ抜けるのが西ノ京観光の定番ルートです。

薬師寺

 駅から東へ、徒歩2分。前身は天武天皇によって発願された寺院で、平城京遷都に伴い現在の位置に設けられました。金堂を中心として東西に塔を並べ、奥の講堂と中門を結ぶように回廊を巡らせる伽藍配置は「薬師寺式伽藍」と呼ばれ、奈良時代初期の伽藍として典型的なものです。各層に裳階(もこし)を備えた三重の塔である東塔は薬師寺創建当時から残る唯一の建造物で、国宝に指定されており、西ノ京における凛とした光景の象徴となっています。もっとも、創建当時は今のような渋い美しさではなく、金ピカの派手な高層建造物だったわけで、数多くの文人がこよなく愛してきた「東塔のある風景」も、東塔本来の姿ではないともいえます。他の堂宇は戦乱などで消失、再建されたものですが、国宝の観世音菩薩像をはじめとした多数の仏像が多く残っており、奈良時代の生き証人といえる存在になっています。そのいっぽうで、ここ半世紀間にわたりえんえんと復元・修復工事が続けられており、日本でいちばん落ち着かない寺になっている観がなきにしもあらずではあります。拝観料500円。

【URL】http://www.nara-yakushiji.com/

唐招提寺

 駅から北東へ、徒歩10分。奈良時代に本邦へ仏教を伝えるために訪れた鑑真和上が開いた道場がもととなる寺院です。金堂や講堂(ともに国宝)をはじめとする天平時代の建造物がずらりと並んでおり、東塔などをのぞき創建当時の伽藍がほぼそのまま残されるという、きわめて貴重な一角をなしています。このほかにも、有名な鑑真和上坐像(国宝)をはじめとする彫像や仏像、絵画などを多数収蔵しており、天平時代が寺内に封印されていたかのような錯覚に陥ります。ただし、現在は金堂が解体修理中なのでご注意を(詳細情報)。境内には樹に覆われた一角があり、特に夏季には生き返るような気になれます。例年5月のうちわ撒きが有名。拝観料600円。

【URL】http://www.toshodaiji.jp/

2008年8月16日、写真を追加のうえ加筆修正

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