高根沢町の中心に近づき、人家がまとまって集落を形成するようになると、列車は仁井田駅に到着します。現在は片面1面1線ですが、かつては北側に対向式ホームがあった名残があるほか、駅を取り囲むように空き地が残っており、かつて貨物輸送で賑わったことがうかがえます。現在も有人駅で、烏山線の中間駅で駅員が配置されているのは、仁井田と大金だけです。
木造の小ぶりな駅舎で、白ペンキとモルタルをベースにしているスマートなものです。青い瓦屋根が使われており、遠目にも駅の存在がはっきりとわかります。車寄せや軒を支える細い柱が、妙に印象的です。駅のデザインから推察するに、開業以来の駅舎がそのまま使われているものと思われます。
駅舎内は、待合室の中央にゴミ箱がデンと居座っており、やや動きにくいのが難点。駅の裏手は学校になっています。
駅前にはタクシーの営業所のほか、売店など、数戸から成る商店街が形成されています。駅前広場があり、そこから一直線に道路が延びていくという、ローカル駅に典型的な構造が残っています。
確認中。
1923年4月に開業した当初は「熟田」と表記していました(読みは現在と同じ「にいた」)。1925年4月1日に現在の表記に改称されています。開業以来一般駅として営業していましたが、1975年3月31日かぎりで貨物輸送が廃止。1979年7月1日に貨物営業が復活するものの、1985年3月13日かぎりで再び廃止され、以後は旅客専用駅となっています。
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