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見沼代親水公園

みぬまだいしんすいこうえん
Minumadaishinsuikoen
見沼代親水公園駅
▲見沼代親水公園駅《2008年4月12日撮影》

日暮里・舎人ライナーの終点で、東京23区内における最北端の鉄道駅です。

終着駅ですが、3階に島式ホーム1面2線、2階のホーム下にコンコースという、扇大橋以北の各駅に共通するデザインになっています。

駅の西口にはロータリーが整備され、各方面へ向かう路線バスの乗り場と直結しています。駅から少し歩くと埼玉県川口市や草加市のエリアに入っており、鉄道のないこれらの地域との間を結ぶ路線バスとの連絡駅にもなっています。このため埼玉県方面への延伸案もありますが、日暮里・舎人ライナーが東京都直営のため経営主体の選定が難しい、埼玉高速鉄道への影響が考えられるといった問題があり、実現する見通しはたっていません。

駅周辺にはマンションも見られますが、一戸建ての住宅が多く、また農地も見られます。

乗り場

西側から順に、1番線、2番線となっています。

駅名の由来

駅に隣接する公園名によります。なお、公募の段階では「舎人」が1位でした。詳細は「ミニコラム」を参照のこと。

歴史

周辺の見どころ

見沼代親水公園

駅から北へ、徒歩3分。かつての農業用水路を整備したもので、水辺沿いに遊歩道が延びています。出入り自由。

舎人氷川神社

駅から西へ、徒歩3分。舎人、入谷、遊馬(現在の草加市)の鎮守で、1200年に、大宮氷川神社から勧請して分社、創建したものです。総欅造りの本殿には多数の装飾が施され、足立区登録文化財になっています。周辺には、古墳時代の方形周溝墓などがある舎人遺跡があります。拝観自由。

◆ミニコラム◆ 駅名の公募

終点ということもあって「見沼代親水公園」という駅名がアナウンスされる機会は非常に多く、また駅名そのものが長めなので、よくも悪くも耳に付きやすいものになっています。この駅名は、公募された結果を参考に決定したものでした。これにかぎらず、日暮里・舎人ライナーの駅名は、荒川区および足立区が名称を公募、区選考委員会の選考を経て東京都に推薦し、これを受けて交通局が決定したものです。

公募とはいえ、多数意見がそのまま採用されたわけではありません。例えば現在の見沼代親水公園(仮称:同)は、1位が「舎人」(482票)で2位が「見沼代親水公園」(156票)。現在の舎人(仮称:同)は、1位が「足立入谷」(720票)で2位が「舎人」(254票)でした[1]。しかし足立区からは、いずれも仮称どおりの駅名が都に推薦され、これがそのまま採用されることになりました。

終着駅が「舎人」、そのひとつ手前が「足立入谷」(地下鉄日比谷線入谷駅と区別するため「足立」を入れるのは妥当でしょう)でも特に問題はないと思いますし、トネリという響きは関東地方の地名ではそう多いものでもありませんから、終着駅の名称としてもなかなかよいものだったでしょう。それでも「見沼代親水公園」が推薦された理由として区としても平成17年度策定の基本計画において、「人と自然が共生する安全で美しい都市を実現するため、緑地や親水空間を大切にしていきます。」と標記しており、公園を快適な居住環境をつくる重要な施設としている。[2]などとありますが、なんとも薄弱な理由に思えます。

その一方で、現在の西新井大師西(仮称:上沼田東公園)は、1位が「西新井大師西」(957票)で2位が「上沼田東公園」(122票)、その結果公募において957票も集めた地元住民の熱意も感じ取ることができるとして、仮称を抑えて公募1位の名称が採用されることになりました[3]

このようにダブルスタンダードのような結果では、後味の悪さがどうしても残ります。特に、公園という施設名を入れることがまず先で、古くからの地名をないがしろにするような“推薦”を経たものなので、なおのことです。票数の多寡で判断するべきではありませんが、多数票の結果がじゅうぶんに妥当なものと認識できるなら、それを採用するのが自然のことでしょう。

駅名を公募という形で選定することの是非はさておき(弊害がかなり大きいのも確かです)、公募であるなら応募者の意見を、もっと適切な形で集約させるのが妥当で、残念な事例になってしまいました。


  1. 足立区公式Webサイト「日暮里・舎人ライナー 駅名(地名)の由来及び駅名称公募時の推薦理由」による(2012年2月3日確認)。
  2. 同上。
  3. 同上。

【日暮里・舎人ライナー】 日暮里西日暮里赤土小学校前熊野前足立小台扇大橋高野江北西新井大師西谷在家舎人公園舎人見沼代親水公園

2012年2月4日

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