樽見鉄道

第1次特定地方交通線に指定された国鉄樽見線の受け皿として設立された第3セクター企業です(本社:岐阜県本巣市)。貨物営業の比率が高かったため、筆頭株主は西濃鉄道、これに次ぐ大株主が住友大阪セメントとなっています。

かつては沿線にあるセメント工場からの貨物輸送の比重が非常に大きく、大垣-本巣には毎日セメント列車が走っていました。このため国鉄時代から営業成績は決して悪いほうではなく、第3セクター転換後2年度目には早くも黒字決算を計上し、東の三陸鉄道と並び「第3セクター鉄道の優等生」と呼ばれていました。しかし、住友大阪セメントが2006年3月28日かぎりで鉄道によるセメント輸送を打ち切ったため収入が激減し、地元自治体のバックアップを受けることが固まっているものの先行きに不透明さが残ります。転換当初の樽見線は大垣-神海(国鉄時代の美濃神海から改称)でしたが、1989年3月に樽見まで延伸、社名にあった形になりました。

(2007年4月1日)

【Link】 樽見鉄道公式Webサイト

★1995年3月1日、樽見にて完乗。2016年7月30日、モレラ岐阜にて全駅乗降。

大垣から樽見までを結ぶ、34.5kmの路線です。全線非電化単線で、全線直通列車のほか、本巣以北および以南の区間列車も設定されています。おおむね1時間に1~2本で、大部分の便がレールバスによって運行されていますが、朝の1往復のみ、客車列車が使われているのが特徴です。沿線には、根尾谷断層や薄墨桜などの観光資源があり、特にサクラのシーズンには積み残しが出るほどの盛況になります。

大垣を出ると名古屋方面に進み、揖斐川の手前まで東海道本線と併走します。ここから向きを北に変え、濃尾平野の水田地帯を突っ切ります。名鉄揖斐線をアンダークロスすると北方真桑に着きますが、ここは北方町の中心地からやや離れています。車庫と本社のある本巣からは、住友セメントの工場へ専用線が延びています。この先はしだいに山間に入っていき、トンネルと鉄橋が連続するようになります。木知原から揖斐川の支流である根尾川に沿うようになり、谷汲口からは近鉄バスが谷汲へ連絡しています。国鉄時代に終着駅だった神海から先は、ひたすら線路が直線的になります。鍋原(なべら)、日当(ひなた)と難読駅が続き、根尾谷断層にさしかかると、列車は大きなカーブを描きます。板所トンネルを抜けると、旧根尾村の中心である樽見に到着します。

樽見線は、戦後になって順次延長開業を繰り返していきました。1956年3月20日に大垣-谷汲口が開業し、1958年4月29日に美濃神海(現・神海)まで延長しています。第1次特定地方交通線に選定され、1984年10月6日に樽見鉄道へ転換されました。その後、日本鉄道建設公団の未成線も引き受けることになり、1989年3月25日に樽見までの全線が開業しています。

(2004年12月29日)

駅一覧

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乗車履歴

  • 大垣-樽見 1995年3月1日

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