先週の土曜日早朝に富山入りして新潟へ、翌日曜日には長野へと回りました。これで北陸新幹線金沢開業に伴う並行在来線第3セクター鉄道の全線に乗車しました。
さて、Twitterでも書いたのですが、富山駅に到着して、旧北陸本線のうち富山県内の部分を継承した「あいの風とやま鉄道」の窓口に向かい、同鉄道のフリーきっぷを購入したい旨を告げると、当日の販売は行わないとのこと。呆然としました。普通運賃のみで各駅を行ったり来たりしていてはたいへんな金額になりますし、他社と連携した企画乗車券もいろいろあるので、ここは撤退して再検討するべしと考え、同鉄道の各駅めぐりは後回しにし、市振まで移動しました。
実際に同社のWebサイトで販売条件を確認すると、「発売期間」欄に「※乗車日の一ヶ月前から前日まで販売」と書かれてあり、これは当日販売はしないという意味ですから、見落としていた私のミスです。それについては、注意が疎かだったという一点に尽きる話で、自分が悪いだけの話です。
ただ、この「当日販売しない」という販売方法をとることの意味が、さっぱりわかりません。これまで、地方の私鉄やバス路線などを、各社が販売するフリーきっぷを活用していろいろ乗ってきましたが、こういうケースは初めて知りました。
当日販売をしないフリーきっぷ等を取り扱っているケースとしては、例えばJR東日本の「三連休乗車券」、近鉄の「近鉄週末フリーパス」などがあります。遠隔地の居住者(出張客および観光客)を対象顧客とはせず、沿線居住者を対象顧客として優遇する目的で絞り込んでいるとすれば、説明はつきます。特に遠隔地からの出張など、ビジネス顧客は正規の運賃および料金へ誘導したいでしょうから、急な利用が多いビジネス顧客を排除するというのは一理あります。それでも、かなりの広さを持つ各社のエリア内であれば購入できますし、利用客としては使いづらいものですが、文句をいう筋合いではありません。
しかし、あいの風とやま鉄道のような地方鉄道では、フリーきっぷなどを観光客が利用する場合と地元客が利用する場合では、むしろ後者のほうが弊害が大きいのでは。地元客が「正規運賃は高い」という認識をもってフリーきっぷだけを使うようになるのは、収入減の固定化につながります。いっぽう、もともと遠隔地からのビジネス利用が多い路線とも思えず、むしろ観光利用を妨げることにさえなります。単に、JR西日本が「北陸おでかけパス」が3日前までの販売になっていることなどによるものかもしれませんが(もっともJR西日本には、電話予約サービスで事前購入手続きを済ませて現地で受け取るという方法があります)。
お隣のえちごトキめき鉄道が、公費を投入してまで設定した激安のフリーきっぷ(たった1,000円で2日間有効)を、いつでも誰にでも販売しているのとはあまりにも対照的で、いろいろと考えさせられました。