島式ホームが残るも棒線化
姫川が形成する渓谷の中に湧出する温泉がほど近い平岩駅は、断崖絶壁のなかを徐行しながら進んできたディーゼルカーにとって、わずかに開けた土地でやっと一息付けるスポットといった、そんな印象があります。
かつては島式ホーム1面2線から成る交換可能駅で側線もありましたが、北陸本線やJR東日本エリアからの直通列車が完全になくなったこともあって交換設備は撤去されました。島式ホームの糸魚川方にある構内踏切で、西側にある駅舎に出ます。線路脇の道路は駅よりも少し低いところにあるため、構内踏切をわたってから階段をおりて改札に向かいます。
大糸北線最後の有人駅でした
駅舎はコンクリート造のシンプルなものですが、冬季には豪雪地帯となるこの場所でも安心できる設備ではありましょう。乗降客が少ないながらもかつては駅員が配置されていましたが、現在は無人化されています。
駅の周囲には人家は少なく、たび重なる集中豪雨などによって廃道と化した道路も多いなど、生活するには過酷な場所でしょう。それでも、駅からほど近い場所には姫川温泉があり、また保養所があるなど、観光利用が可能な立地ではありますが、大糸北線の運行状況から察するに、観光客の利用はごくかぎられているようです。それでも夏場には、白馬岳への玄関口として、登山客の利用がみられます。また、平岩駅のすぐ北側で線路がカーブを描いて姫川を渡るため、鉄道写真の撮影に好適であることから、駅目当てでない鉄道ファンの利用もあるようです。
歴史
- 1957年8月15日
- 国鉄大糸線の中土-小滝間が開業し、大糸線が全通した際、平岩駅開業。
- 1981年11月19日
- この日かぎりで貨物営業廃止。
- 1987年4月1日
- 国鉄の分割民営化に伴い、JR西日本の駅となります。
- 2002年3月23日
- 無人化[1]。
- hillman「大糸線」(2010年9月12日確認)。