かつての遊園地最寄り駅とは思えない寂しい駅

大川寺

だいせんじ Daisenji
大川寺駅
▲大川寺駅駅舎《2007年9月10日撮影》

ホームはシェードの中に

大川寺駅ホーム
【写真1】大川寺駅ホーム。《2007年9月10日撮影》

上滝の市街地を抜けると南側に山が迫るようになり、上り坂を進むと大川寺駅に着きます。かつては大川寺遊園の最寄り駅として賑わった駅ですが、遊園地が閉園した今となってはその賑わいを想像するのはまず無理で、非常に寂しい駅になっています。

崖の脇にシェードが設けられ、その中に単式ホームが置かれている棒線駅です。ホームの3分の2ほどがシェードの中に入っており、その脇に設けられた鉄骨の駅舎から出入りする形になっています。

灰色でやや暗い空間

大川寺駅を発車する岩峅寺行電車
【写真2】大川寺駅を発車する岩峅寺行電車。《2007年9月10日撮影》

ホームは全体がコンクリートに覆われており、北側が柱となっており隙間から採光するものの、日中は照明がオフになっているため暗く、特に雨天時には不気味。コンクリートには塗装がなく打ち放しなので、非常に無機質な印象を与えます。壁面にはかつてペインティングが施されていたようですが、今は塗りつぶされています。

2階の駅舎内はがらんどう

大川寺駅駅舎内
【写真3】大川寺駅駅舎内。《2007年9月10日撮影》

駅舎は2階建てですが、1階にはトイレがあるのみで、実質的には2階のみが使われています。待合室がホームに隣接しており、ここから階段を下りて駅前広場へ向かうことになります。

駅の待合室には、据え付けの椅子があるのみでガランとしています。かつて仕切りを設けていた痕跡が見られることから、かつては事務室スペースが用意され駅員が(常時ではないにせよ)配置されていたことがあったものと思われます。

駅の真下には水路が

大川寺駅の下を流れる水路真上から駅を望む
【写真4】大川寺駅の下を流れる水路真上から駅を望む。《2007年9月10日撮影》

ホームの真下には水路が通っており、勢いのよい流れが派手な音としぶきを伴っています。この水路は、大川寺駅から南東800mほどのところにある上滝水力発電所から延びているもので、この大川寺駅から地上に出て用水路となり、常願寺川に並行して北へと向かいます。

駅前は事実上駐車場に

大川寺駅駅前
【写真5】大川寺駅駅前。《2007年9月10日撮影》

駅前は小広場となっており、公式に認められているのかどうかはわかりませんが駐車場と化していました。民家などがぽつぽつと建ってはいるものの、およそ駅前らしい雰囲気はなく、駅前を通っている主要地方道を自動車が走る音、そして足元の水音のみが耳に響きました。大川寺遊園の跡地はどうなっているのか興味もあったのですが、私が下車したときは激しい雨のため足場が非常に悪くなっており、探訪は断念しています。

すぐ東側の橋梁は立派

常願寺川橋梁
【写真6】大川寺駅東側にかかる常願寺川橋梁。《2007年9月10日撮影》

上滝線は、大川寺駅のすぐ東側で常願寺川をわたります。ここに架かる常願寺川橋梁は富山地鉄に残る最も古い橋梁で、整然と並ぶトラスはなかなか美しいのですが、塗装が剥落し錆が目立つのが残念です。

この駅から常願寺川をわたると岩峅雄山神社が近いため、年始には参拝客の利用があるようです。

駅名の由来

駅近くにある寺院からつけられたものです。

歴史

富山県営鉄道が上滝-岩峅寺間を開通させた際に設置された駅です。当初は「上滝公園下」と称し、1958年に遊園地がオープンしたことを受けて「大川寺公園」(1959年1月1日)、ついで「大川寺遊園」(1967年10月1日)と改称しましたが、遊園地の閉鎖(1996年11月4日)に伴って1997年4月1日に現在の「大川寺」となっています。現在の洞門駅は1976年11月9日から利用されています。

1921年10月11日
開業。
1959年1月1日
駅名を「大川寺公園」に変更。
1967年10月1日
駅名を「大川寺遊園」に変更。
1997年4月1日
駅名を「大川寺」に変更。

周辺の見どころ

確認中。

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