広々とした構内がかつての栄華を語る
富山県の南端、岐阜県との県境近くに位置する駅です。高山本線では、JR西日本とJR東海の境界駅となっており、管理はJR西日本が行っています。
富山県の南端、岐阜県との県境近くに位置する駅です。高山本線では、JR西日本とJR東海の境界駅となっており、管理はJR西日本が行っています。
JRの駅としては島式1面2線となっていますが、側線が多く敷かれています。神岡鉱山から搬出される鉱石や濃硫酸などを満載した貨物列車が所狭しと並んでいた風景も、今となっては昔語りとなってしまい、ホームに面したレール以外は赤く錆びています。
ホームと駅本屋の間は離れており、構内をわたって行き来するという、古くからの方式が残っています。かつては神岡鉄道の列車をバックに記念撮影をする人の姿を多く見受けました。
しっかりした木造駅舎が健在です。用途は不明ですが、その脇に3階建ての鉄筋の施設があり、ホームから見るとこちらのほうが目立ちます。
有人駅ですが、出札窓口にはほとんど人がおらず、食券販売機のような自動券売機が置かれているのみです。それでも駅舎内はきれいに清掃されており、居心地は悪くありません。
猪谷は、富山地方と飛騨地方を結ぶ交通の要衝で、かつては関所が置かれていました。神通川を介した行き来の際には、ここが拠点となっていたのでしょう。
特急以下、全列車が停車します。会社境界駅ですが、特急は全便が両社にまたがって運行、普通列車も直通する便が設定されています。
確認中。
確認中。
1930年11月、飛越線が笹津からこの猪谷まで延長されたのが始まりです。1932年8月には杉原まで延長され、終着駅だった期間は短いのですが、運転上の拠点として位置づけられてきました。また、神岡鉱山との間を結んでいた馬車軌道は、当初は富山鉄道の笹津を起点としていましたが、飛越線開業後は猪谷が接続駅となっています。
なお、この駅から奥飛騨温泉口までを結んでいた神岡鉄道は、2006年11月30日かぎりで廃止されました(参照:神岡鉄道猪谷駅)。
駅正面右手、徒歩1分。この地に置かれた関所に関する各種史料を展示しています。ただし、越中と飛騨の間の物流の実態に関する知識がないままで展示を見ても、どうにもピンときませんでした。150円、月休。
【Link】富山市公式Webサイト・猪谷関所館案内ページ