浜寺公園へは南海線よりこちらのほうが近い

浜寺駅前

はまでらえきまえ
Hamaderakoen
浜寺駅前駅
▲浜寺駅前駅駅舎《2006年2月5日撮影》
浜寺駅前駅手前で停車する電車
【写真1】浜寺駅前駅は1面1線なので、列車がつかえている場合は北側に停車し、旅客を降ろします。《2006年2月5日撮影》

船尾を発車した阪堺電車は、ぐっと上り勾配にさしかかり、南海線を高々とオーバークロスして海側へ抜けます。左へ緩やかなカーブを描きながら下っていき、右側に浜寺公園の松が見えるようになると、ほどなく終点、浜寺駅前となります。

阪堺線はほぼ全区間が複線となっていますが、この浜寺駅前の手前で上下線が合流し、ホームでは1面1線となっています。このため、浜寺駅前駅に列車が到着するときに、恵美須町方面行きの電車が発車していない場合は、ホーム北側で電車が停車し、ここで旅客を降ろします。安全地帯の表示があるわけではなく、単に線路脇の柵がないスペースが2両分程度あるのみという、誠に簡便な構造です。御陵前以南では路面電車らしい雰囲気をまったく見せない阪堺電車ですが、このような小技を終着駅で使えるのが、“チン電”ゆえの身軽さといえましょうか。

浜寺駅前駅ホーム
【写真2】浜寺駅前駅を北側から望む。線路沿いに歩いていくとホームに入っちゃいました、というように、ホームが周囲の民家に溶け込んでいます。《2006年2月5日撮影》

ホームは、北側に住宅地の中を通る狭い道路から連なり、南側に南海浜寺公園駅前道路を控え、そして西側に府道堺阪南線に接しています。時代のかった窮屈な設備ではありますが、それでもしっかりした駅舎があり、平日昼間時間帯には定期券や各種乗車券類を販売しています。

浜寺駅前駅玄関部分
【写真3】大きな屋根が存在感を示します。照明が弱く電車が止まると暗くなりますが、電車が入車していれば車内で待つわけで、合理的ともいえます。《2006年2月5日撮影》

駅舎は木造平屋建て、蔵のような形をしています。駅周辺の民家はひっそりとしており、駅前駅から南海浜寺公園へ通じる道路沿いには、これまた時代の流れをその中に封印してしまったかのような小商店がずらりと並ぶ中、枯れた駅舎として、いい雰囲気を出しています。ただし、駅の中にぎっしり詰め込まれているかのような飲料水の自動販売機が、やや興をそぎます。

駅名の由来

特記事項なし。

歴史

(初代)阪堺電気軌道の終着駅として、1912年4月に「浜寺」の駅名で開業しました。南海よりも浜寺公園に近い位置にあるのは、やはり観光客を意識して路線を敷設したためなのでしょう。今では想像もつきませんが、開業当初は、南海とリゾート客の争奪戦を演じたといいます。

1915年に南海鉄道に合併し、戦後もこの状態が長く続きましたが、1980年12月に再び阪堺電気軌道として分社化されています。

周辺の見どころ

浜寺公園

駅から西へすぐ。球技場やプールなどのスポーツ施設が整備されているほか、バラ園があります。明治時代初期には白砂青松の地として知られており、かなり数が減ったものの、現在でも緑豊かな公園となっています。南北に長いため、利用施設によっては、南海羽衣駅または阪和線東羽衣駅を利用するほうが便利です。園内散策自由。 [Google Map] [Mapion]

浜寺公園駅駅舎

駅から東へ、徒歩2分。南海-南海本線:浜寺公園を参照のこと。

【阪堺線】 恵美須町南霞町今池今船松田町北天下茶屋聖天坂天神ノ森東玉出塚西東粉浜住吉住吉鳥居前細井川安立町我孫子道大和川高須神社綾ノ町神明町妙国寺前花田口大小路宿院寺地町御陵前東湊石津船尾浜寺駅前

《乗り換え》南海-南海本線:浜寺公園

2003年10月13日
2006年2月27日、写真を追加の上加筆修正

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