津軽半島の拠点駅

蟹田

かにた
Kanita
蟹田駅
蟹田駅駅舎。2010年12月5日

かつては運行上の境界でした

蟹田駅ホーム
写真1蟹田駅ホーム。2010年12月5日

津軽線の中核駅で、唯一の有人駅です。北海道新幹線開業直前の時点は、津軽線内で唯一特急列車が停車する駅でしたが、特急列車の運行がなくなった現在でも、長大貨物列車がここで停車しているのを見ることができます。

もともとは、津軽線という一ローカル線の駅に過ぎなかった蟹田駅ですが、青函トンネル開通に伴う輸送体系の大幅な変化に伴い、運行上ではJR東日本とJR北海道の境界駅となり、旅客列車の乗務員はこの蟹田で交替していました。海峡線を旅客列車が通らなくなった現在、両社の境界駅は事実上新青森に移っており、蟹田はその役割を下りています。普通列車は従来通り運行されていますが、特急列車が消滅したこともあり、対北海道はもちろん、対青森でも利便性が低下してしまいました。

太宰治の碑?が

蟹田駅ホームにある太宰治『津軽』の一節
写真2蟹田駅ホームにある太宰治『津軽』の一節。2010年12月5日

ホーム上には、太宰治『津軽』のなかで綴られた蟹田つてのは、風の町だね。と書かれた部分を採った碑――と呼んでよいのかどうかわかりませんが――があります。もっとも、津軽線が開通したのは太宰治物故後ですし、かつ『津軽』のなかには、ごていねいにさうして蟹田町は、その外ヶ浜に於いて最も大きい部落なのだ。青森市からバスで、後潟、蓬田を通り、約一時間半、とは言つてもまあ二時間ちかくで、この町に到着する。所謂、外ヶ浜の中心部である。という記述まであります。

ニューヨークやローマの名が出現

蟹田駅ホーム上看板その2
写真3蟹田駅ホーム上看板その2。2010年12月5日

『津軽』の一節が書かれた碑の裏側には「北緯41° ニューヨーク・ローマと結ぶ町 かにた」と書かれています。緯度がニューヨークやローマとほぼ同じことから取ったのでしょう。こういった縁もゆかりもなさそうな地名を引き合いに出すよりも、しじみで有名な十三湖などを持ち出す方がよいのではという気もいたしました。

カニのイラストまで

蟹田駅舎設置看板
写真4蟹田駅舎設置看板。2010年12月5日

駅舎には「津軽海峡線のオアシス」と書かれた、カニのイラストが目を引く看板が設置されていました。

跨線橋と自由通路が一体化

蟹田駅跨線橋内部
写真5蟹田駅跨線橋内部。2010年12月5日

島式ホームと駅本屋の間は跨線橋で結ばれていますが、この跨線橋は駅の東西を結ぶ自由通路と一体化しています。跨線橋の中に入ると、その内部で跨線橋(改札内)と自由通路(改札外)が仕切られています。

電化区間と非電化区間の運行上の境界

跨線橋から蟹田駅構内を望む
写真6跨線橋から蟹田駅構内を望む。2010年12月5日

島式ホーム1面1線と、駅本屋に接した単式1面1線が跨線橋で結ばれていますが、もともとローカル線の中間駅だった程度の駅が運転拠点になり、狭い用地で設備を拡充する必要が生じたこともあってか、ホームは狭くなっています。

【写真6】の左上にはキハ40×2が止まっていますが、これは津軽線中小国以北(新中小国信号場以北)が非電化区間となっているためです。津軽線内の列車は、基本的に蟹田以南が電車、蟹田以北が気動車による運行ですが、1日上下各1便のみ、ディーゼルカーが青森と三厩を直接結んでいます。なお、蟹田-新中小国信号場間は、電化区間ですが電車は走りません(電気機関車けん引の貨物列車は多数あります)。

駅舎内はゆったりと

蟹田駅駅舎内
写真7蟹田駅駅舎内。2010年12月5日

駅舎は木造平屋建てのものですが、新しく改築されたものです。内部も、ローカル線の木造駅舎らしい雰囲気は払拭され、清潔感漂う山小屋のようなインテリアになっています。出札窓口を兼ねた「みどりの窓口」のほか、自動券売機が1台設置されています。

また、待合室は非常に広くゆったりとしており、列車待ちをする間も不快感を抱くことはまずないでしょう。

かつては駅構内に売店があった記憶がありますが、その後姿を消しています。

駅は町の入口付近に

蟹田駅駅前風景
写真8蟹田駅駅前風景。2010年12月5日

蟹田駅は外ヶ浜町の中心部に近いこともあって、それなりに人家が多く集まっていますが、駅前はいささか寂しい印象を受けます。

駅からすぐのところに、町営の待合所と、蟹田駅前市場「ウェル蟹」なる施設があり、ここで地元の物産を販売しています。施設にあった掲示物によると、原子燃料サイクル事業推進特別対策事業の一環として整備されたものとのことです。

西側はいささか寂しく

蟹田駅西側
写真9蟹田駅西側。2010年12月5日

蟹田駅正面右手から入ることのできる自由通路を通って、裏手に出ると、こちらは県道12号線を迂回する道路が通っているのみで、いささか寂しい空間になっています。ただ、出口すぐの所に広い駐車場が用意されているため、パークアンドライド的に利用されているのかもしれません。

乗り場

東側(駅本屋側)から順に、1番線、2番線、3番線となります。

  • 1.津軽線上り 青森方面(本数少)
  • 2.津軽線上り 青森方面
  • 3.津軽線下り 三厩方面

駅名の由来

確認中。

歴史

青函トンネル開通に伴って大きく変貌を遂げた駅です。

略年表(クリックまたはタップで開閉)
1951年(昭和26年)12月5日
国鉄津軽線・青森-蟹田間が開業し、蟹田駅開業。
1958年(昭和33年)10月21日
国鉄津軽線・蟹田-三厩間が開業、中間駅となります。
1980年(昭和55年)6月30日
この日限りで貨物営業廃止。
1987年(昭和62年)4月1日
国鉄の分割民営化に伴い、JR東日本の駅となります。
1988年(昭和63年)3月13日
青函トンネル開通に伴い、運行系統上で三厩方面と海峡線方面の接続駅となります。
2016年(平成28年)3月26日
北海道新幹線・新青森-新函館北斗間が開業し、旅客列車は全便が津軽線内運転普通列車のみの運行となります。

駅周辺

確認中。

近隣の見どころ

確認中。

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