青函連絡船は昔語りに

青森

あおもり
Aomori
青森駅
青森駅東口。2010-12-05

海に向かっている終着駅

青森駅ホーム
写真1青森駅ホーム。2010-12-04

日本に鉄道ネットワークが形成されて以降、長らく青森と函館の間は青函連絡船を介して行き来するパターンが続いていました。その青函連絡船の本州側拠点であったのが、盛岡方面から伸びてきた東北本線の終点となり、また秋田方面から伸びてきた奥羽本線の終点ともなった、青森駅です。

青函トンネルが開通して青函連絡船が廃止されたのちも、青森駅は長らく、本州と北海道を結ぶ長距離列車の結節点として機能してきました。

かつては連絡船へと乗り換えが

青森駅に停車中の特急「白鳥」(右)と寝台特急「あけぼの」(左)
写真2青森駅に停車中の特急「白鳥」(右)と寝台特急「あけぼの」(左)。2010-12-04

青森駅は、地平に島式ホーム3面6線が設けられ、それぞれのホーム南側(海と反対側)に東西を結ぶ跨線橋が横たわっています。跨線橋の北側からは各ホームに停まる列車が、青森ベイブリッジをバックに望めます。かつての青函連絡船の乗り場は、現在の跨線橋とは反対側、海側にある跨線橋を通って桟橋へと向かっていました。

かつては東北本線の終点でしたが、2010年12月に東北新幹線が新青森まで延長された際に青い森鉄道へ移管されたため、JRの駅としては、奥羽本線と津軽線の接続駅となっています。ただし、青い森鉄道の列車乗り場との間には連絡改札はなく、また青い森鉄道を介して大湊線に直通する列車があるため、駅にいるぶんには、あまり違いは感じられません。

3つの跨線橋のうち1つだけ使えます

青森駅跨線橋
写真3青森駅跨線橋。2010-12-04

青森駅の各ホームに通じる跨線橋は3つありますが、南側は関係者専用、北側は前述の連絡船乗り換え用となっており、実際に旅客が利用するのは1つのみです。いずれもホームとの行き来は階段またはエスカレーターのみとなっており、エレベーターは設置されていません。跨線橋と出口との間にも跨線橋は設置されていません。

車椅子で青森駅を利用する場合は、駅係員にその旨を申告して関係者専用通路を使うことになるようです。県庁所在地の駅としては、随分お粗末な設備です。

かつては跨線橋に面してトイレがありましたが、これは廃止になり、現在では改札内にはトイレがありません。改札を入る際には用を足しておくのをお忘れなく。

広い設備と貧弱な旅客設備

青森駅を南側の歩道橋から見る
写真4青森駅を南側の歩道橋から見る。2010-12-04

青森駅は、このようにずいぶんと窮屈なつくりになっていますが、それもこれも、青函連絡船を介した北海道連絡拠点としての位置づけが長かったがゆえでしょう。青森駅の南側を通る短絡線の開通、青函連絡船の廃止、さらには北海道新幹線開業に伴う海峡線経由旅客列車全廃によって、ひたすら複雑で広大な構内を持て余す一方、旅客設備の貧弱さがかえって浮き彫りになっている観があります。

狭い敷地に機能がぎっしり

青森駅東口コンコース
写真5青森駅東口コンコース。2010-12-04

青森駅の正面口は、市街地が広がっている東側にあります。駅の改札口は比較的コンパクトですが、「みどりの窓口」や「びゅうプラザ」はもちろん、土産物などを販売する店舗やコンビニ、コーヒーショップや飲食店なども入っており、平屋建ての駅舎ながら旅行者に便利な機能がぎっしり詰まっている感じがあります。

駅舎南側には駅ビル

青森駅東口出入口
写真6青森駅東口出入口。2010-12-04

東口駅舎の南側には、それと隣接して駅ビル「ラピナ」が建っており、列車に乗る前に買い物や食事ができます。

東口駅前はフラット

青森駅西口駅前
写真7青森駅西口駅前。2010-12-04

駅前にはロータリーが設けられて路線バスが発着していますが、駅前広場には歩道橋やペデストリアンデッキがないため、すっきりと見通しがよくなっています。バスに乗るのに上下移動がなくて済むのは、荷物が多めの長距離利用者にとってはありがたいものです。

西口にも出口が

青森駅西口コンコース
写真8青森駅西口コンコース。2010-12-04

このほか、跨線橋を西側にまっすぐ進んだ先には、ひっそりと西口が設けられています。こちらには自動改札機はないものの、小さな待合室と「みどりの窓口」があります。なお、こちらには階段を上り下りする必要があり、エスカレーターすらありません。

とんがり屋根の小さな駅舎

青森駅西口駅舎
写真9青森駅西口駅舎。2010-12-04

駅を出て振り返ると、とんがり屋根の小さな駅舎が控えていますが、県庁所在地の駅とは思えない、控えめな感じです。

駅前にも、住宅や雑居ビルがぽつぽつ並んでいるものの、商店などは見当たらず、静かなものです。いわゆる“駅裏”らしい雰囲気があります。

橋上駅舎建設中

青森駅西口駅前
写真10青森駅西口駅前。2010-12-04

このように、東北新幹線が新青森まで開通しながらも、青森駅は大胆に変わることはなく、連絡船時代の雰囲気が残るままとなっています。線形の都合上新幹線が乗り入れることがなかったこと、現在でも運転拠点としての立場は変わっていないことがあるのでしょうが、青森そのものが観光駅の乗り降りする駅ではなく、あくまでも乗り換えの拠点駅だったことが、その大きな原因ではないかと感じます。

新幹線開通後、地元では青森駅を観光拠点と位置づけているようです。バリアフリー非対応という、現在の設備では県の玄関口として旧態依然とした青森駅ですが、現在新しい橋上駅舎建設工事が始まっており、連絡線を前提とした構内も、大きく変わっていくものと思われます。

停車列車 [2019年10月現在]

奥羽本線

全ての列車が停車します。津軽線は普通列車のみの運行なので省略しました。

  • 特急「つがる」快速普通 新青森青森

乗り場

東側(駅本屋側)から順に、1番線、2番線…となります。ここでは、青い森鉄道の列車の発着番線も含めて記します。

  • 1.青い森鉄道 野辺地、八戸方面
  • 2.青い森鉄道 野辺地、八戸方面
  • 3.奥羽本線 弘前、秋田方面/津軽線 蟹田、三厩方面
  • 4.奥羽本線 弘前、秋田方面/津軽線 蟹田、三厩方面
  • 5.奥羽本線 弘前、秋田方面/津軽線 蟹田、三厩方面
  • 6.奥羽本線 弘前、秋田方面/津軽線 蟹田、三厩方面

駅名の由来

確認中。

歴史

詳細は確認中。

略年表(クリックまたはタップで開閉)
1891年(明治24年)9月1日
開業。
1987年(昭和62年)4月1日
国鉄の分割民営化に伴い、JR東日本の駅となります(連絡船桟橋はJR北海道の管轄)。
2010年(平成22年)12月4日
東北新幹線の八戸-新青森間が開通したことに伴い、東北本線が青い森鉄道に移管され、JR青森駅は奥羽本線と津軽線の駅となります。

駅周辺

確認中。

近隣の見どころ

確認中。

その他

  • 「東北の駅百選」(国土交通省東北運輸局)選定駅。

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