対向式ホーム2面2線から成る地平駅で、ホームは南側に張り出す形でゆるやかなカーブを描いています。特急以下、すべての列車が停車します。
特急停車駅としてはずいぶんとコンパクトな駅で、ホーム幅も決して広くはありません。傾斜地上に設置されたために用地の確保が難しかったものと思われます。
駅舎は下りホームに接して南側に設けられており、4階建ての駅ビルにはコープ(生協)が入っているほか、駅と連続するように飲食店などが並んでいます。改札は駅舎の中央部分にあるほか、上りホームにも自動券売機と自動改札機のみの改札が、ひっそりとあります。かつては、この“北口”改札は夙川と同様、すでに乗車券類(定期券や回数券など)を所有している旅客を限定していたという記憶があるのですが。上下ホームは地下道で連絡しています。
駅正面には、南側へと道路が通じています。細い道路の割に自動車の通行量が多く、坂になっているため自転車がよろけながら進む光景が見られます。さらに、道路の両脇に商店が建ち並ぶメインストリートとなっているため、いつも混雑しています。活気があるともいえますが、車が通るたびに人波がわっと動くというのはいかがなものでしょうか。
甲南大学が駅の北西側にあり、駅前には学生が多く、ブティックなどお洒落な店舗が多いのが特徴です。駅の南側は神戸郊外に形成された商業地の一典型といえるでしょう。いっぽう、駅の北側には敷地の大きい邸宅が並んでおり、閑静な高級住宅地となっています。駅周辺の道路には石畳がしかれているところが多く、景観に配慮した道路整備が行われているといえましょう。都市環境だけではなく、町並みによく似合ったレイアウトのショップが目立ち、狭小なエリアに落ち着いた雰囲気が醸成されています。三宮や元町のような繁華街とは明らかに一線を画した、活気に満ちた郊外型タウンとしての性格は、震災の前後でもまったく変わっていないようです。
岡本駅から南へ5分ほど歩くと、JR東海道本線の摂津本山駅がありますが、同駅の周辺になると賑わいがふっと途切れるのが、阪急の特急停車という威力の大きさを裏返しにして物語っているように思われます。