空港に一番近いはずが
東根市南部に位置している神町駅は、山形空港ターミナルに最も近い場所に位置していますが、ターミナルは駅と滑走路を挟んで反対側にあるため、山形新幹線の鉄道最寄り駅は隣のさくらんぼ東根駅となっています。
このページは、新駅舎供用開始前に訪問した際の情報を基に記述しています。(2019年10月25日)
東根市南部に位置している神町駅は、山形空港ターミナルに最も近い場所に位置していますが、ターミナルは駅と滑走路を挟んで反対側にあるため、山形新幹線の鉄道最寄り駅は隣のさくらんぼ東根駅となっています。
ホームはずいぶん幅が広く、立派なつくりです。かつては相対式ホーム2面2線でしたが、西側のホームは廃止されて久しいようです。また、駅の前後で独特の屈曲が見られます。
ところどころに、旧ホームの跡が残っていました。
1945年、駅の近くに米軍キャンプが開設されたことを受け、占領軍輸送のため改築された駅舎が残っていました。奥羽本線新庄以南が標準軌化された際にホームがかさ上げされたようで、出口との間には段差があり、一部はスロープになっていました。
旧駅舎の内部は、壁面の多くが白ペンキで塗られていました。いかにもバタ臭い作りではありますが、これは占領期、神町駅にRTOが設けられていたことと無縁ではないと思われます。
待合室部分は平屋ながら天井が非常に高く、明かり窓から差し込む光が、全体を暖かく包んでいるような印象を与えます。
駅舎の開口部もかなり大きめで、現在は無人化されているものの、かつては相応の重要性を持っていた駅であることが推察されます。
旅客の待合スペース自体はそれほど大きくはないのですが、写真8の左側の壁面が比較的新しいことから、かつてはこちらに待合スペースがあったのでしょうか。
事務所の方がずっと大きいのですが、現在では倉庫のような扱いになっているようです。
玄関には、なかなか味のある駅名板が掲示されていました。
旧駅舎の壁面には大きく「JIMMACHI STATION」という英語表記が出ており、事務所部分の窓にはクロス状の装飾が施されています。ふさがれたり改修されたりしているものの、縦長の窓などに、インターナショナルスタイルが脚光を浴びた時代のデザインを見て取れます。
駅前には小ぶりなロータリーが整備されています。
駅西側にある山形空港は、もともと帝国海軍の練習飛行場だった土地で(占領期には米軍が、その後は自衛隊が使用)、1964年に「神町空港」として民間空港化したものです。また、駅の南東側には陸上自衛隊神町駐屯地があります。いわば、軍用飛行場と軍事基地に挟まれた駅だったといえます。
普通列車のみが停車します。
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