在来線と新幹線は大きく離れて
福島県の県庁所在地駅にあたる福島駅は、東北新幹線と山形新幹線、東北本線と奥羽本線との分岐駅で、郡山駅と並び福島県内における鉄道の要衝になっています。
在来線の駅と新幹線の駅は一本のみある跨線橋でつながっているため、いちおうひとつの駅となってはいますが、実際には地平にある在来線の乗り場と、高架下にある新幹線コンコースとは大きく離れています。
福島県の県庁所在地駅にあたる福島駅は、東北新幹線と山形新幹線、東北本線と奥羽本線との分岐駅で、郡山駅と並び福島県内における鉄道の要衝になっています。
在来線の駅と新幹線の駅は一本のみある跨線橋でつながっているため、いちおうひとつの駅となってはいますが、実際には地平にある在来線の乗り場と、高架下にある新幹線コンコースとは大きく離れています。
新幹線の駅が在来線から大きく離れているのは不思議な気がしますが、これはかつて在来線ホームの西側に、貨物列車のスペースがあったためです。東北新幹線が開業した1982年6月には、新幹線を降りると貨物列車が居並ぶレールの上を跨線橋でわたり、在来線ホームへ乗り換えていました。もっとも、福島駅の貨物営業は1984年1月には廃止になっているので、この光景も長続きはせず、貨物スペースは駐車場へと姿を変えています。
駅本屋があり市街地側を向いているのは東口ですが、県庁所在地駅の改札口としては比較的コンパクトなつくりになっています。福島駅の各ホームを結び東西を貫いている跨線橋とは直結しておらず、1番ホームに出入りするという、地方都市における国鉄駅の典型的な形態がみられます。なお、跨線橋をまっすぐ東に進むと、駅ビルに入っている商業施設「エスパル」に直接出入りできる改札口があります。
地平にあるメイン改札口そのものは小規模なものの、駅そのものは南北に長く延びた駅ビルの中に入っており、大きな駅前広場も相まって、存在感は十分です。なお、駅前広場には古関裕而の像が建立されています。
在来線は、駅本屋に接する片面ホーム、島式ホーム、それに切り欠け部分のある島式ホームから成り、全部で3面6線になっています。かつては特急や急行など優等列車が頻繁に発着していたホームも、現在は比較的編成の短い普通列車の運行が大半となっています。
新幹線ホームは島式2面4線から成るほか、内側に通過線が2線設けられています。盛岡方面へ向かう東北新幹線と、新庄方面へ向かう山形新幹線の列車が併結されている場合は、ここ福島で切り離し作業が行われます。なお、山形新幹線へレールがつながっているのは西端の14番線のみなので、下りのほか、山形方面からきた上り列車およびそれと連結する列車もここから発車します。このため、福島駅での列車の行き来が、東北新幹線のダイヤ設定上のネックになっています。
ホームの造作は国鉄時代からあまり変わっていないようで、側面がタイル張り、上部がスチールの階段など、鉄建公団時代のつくりがよく残っています。
新幹線ホームの発車メロディには、全国高校野球選手権大会(夏の甲子園大会)の大会歌である「栄冠は君に輝く」が使われていますが、これは福島が作曲家・古関裕而の出身地であり、古関の代表作としてふさわしいとして採用されたとのことですが、やはりこの歌には甲子園がふさわしく、福島と結びつけるには苦しい気がします。在来線ホームには「高原列車は行く」が流れており、こちらで統一してもよかったのでは。
いっぽうの西口は、跨線橋の西側にある新幹線コンコースに直接つながる形に設けられています。ここでは、精算および案内の窓口を中心に置いて、在来線改札口(在・構外)、新幹線改札口(新・構外)、新幹線乗り換え改札口(在・新)がY字状に設けられています。東口とは別に「みどりの窓口」が設けられています。
西口駅舎は新幹線の高架下に設けられており、東口駅舎とは完全に独立していますが、こちらも構内に飲食店などが入っているほか、駅前のロータリーからは路線バスが発着しています。広場の往来や駅前道路のキャパシティを考慮すると、団体客の乗り降りなどは西口を利用するほうが便利だと思われます。なお、前述の跨線橋は改札内のみになっていることから、東口と西口の間の往来には、地下に設けられた自由通路を利用することになります。
福島市は福島県の県庁所在地ですが、福島県全体でみると北側に偏った場所に位置することもあり、経済上の中心は郡山に譲り、行政上の中心となっています。なお、駅前は地方都市に多くみられるように空洞化が進んでおり、かつての繁華街だった東口駅前にもビルに空室が目立っているのが実情です。
確認中。
東側から順に、1番線、2番線…となります。新幹線の14番線は山形方面へ唯一レールがつながっているため、山形新幹線およびこれと分割併合を行う便は、すべてここに入ります。
確認中。
日本鉄道開業時に設けられた、古くからの駅です。
確認中。