線路がだんだん奥に入り、川が山を浸食してできた谷がはっきりわかるような急峻な地形になると、斜面上の小駅である比津に到着します。
片面ホーム1面1線のみの無人駅で、おそらく開業当初から駅舎はなかったものと思われます。これまた開業当時からほとんど変わっていないと思われる、古い木造の待合室が、ひっそりとホーム上にたたずんでいます。駅前には、民家が一軒あります。
駅からみて下のほうに、数戸の民家があり、平行して1.5車線程度の幅員をもつ県道が走っています。ただし、駅の位置が高いうえにこれといった目印がないため、駅が存在することは、平行道路を走る車からはまず認識できないでしょう。
駅の東側には、この地域を根拠地としていた北畠氏ゆかりの遺跡が残っています。ただし、週末には美杉村営バスは全便運休のようで、一日かけてハイキングする心づもりが必要かもしれません。