空港通りを出た電車は、しばらく走ると軌道が2本、複線状に並列している区間になります。これは、かつて一宮駅がこの地にあったものの、その後駅が西へ移転した際に、新旧両駅の間の線路を上下別に残したものです。この変則的な区間は300mほど続きますが、軌道が複数になる地点は信号所などにはなっておらず、したがって厳密には複線と呼べる施設ではありません。
琴平線の電車は、高松方ではこの一宮で折り返し発着となる便が多く設定されています。このため、列車本数の境界駅になっています。島式ホーム2面3線から成る地平駅ですが、北から順に、高松築港方面、琴電琴平方面、折り返し列車の発着となっており、高松方面へ向かう場合には発着番線が便によって異なることとなります。
駅本屋は南側に設けられており、島式ホームとの間は構内踏切で連絡しています。駅舎はシンプルなものですが直線と傾斜を組み合わせた軽快なもので、また列車の折り返しがあることなどから、新しい駅としては珍しく事務スペースが広めに取られています。軒下に淡青色、腰回りに薄茶色の帯を巻いており、このカラーリングは滝宮や琴電志度などでも見られます。
駅前にはロータリーが整備されています。また、駅のすぐ脇には「ことでん一宮プラザ」というビルが建っていました。駅の近くには高校と大規模団地が立地しており、住宅密集地になっているため、人の行き来が盛んな駅です。