ホームはかなり窮屈そう
東武伊勢崎線の始発駅で、松屋デパートの2階に入っています。駅ビル自体は7階建てになっています。
駅の設計は、参宮急行電鉄(現・近畿日本鉄道)の宇治山田、南海電気鉄道の難波など、私鉄のターミナル駅を手がけたことで有名な、久野節設計事務所が担当。かつては、豪華さと開放感にあふれた駅だったと思われますが、改装が重ねられており、特にホームではかつての面影を感じることは難しくなっています。外観も、新建材オンリーになっており、野暮ったい建物にしか見えないのが残念。それでも、特に地下鉄銀座線との連携がよく考慮され、初見の客でも迷うことなく出入りできるようなつくりになっており、機能面ではなかなかすぐれた駅になっています。
ホームは頭端式となっています。駅の北側ですぐに右へと急カーブを描いて隅田川を渡ること、また用地が確保できないことの二点から、編成長をのばすことができず、短編成の列車が、いかにも窮屈そうに出入りします。東武が日比谷線や半蔵門線を介した地下鉄との相互乗り入れに力を入れたのは、同駅のキャパシティを拡大できないという事情がありました。
駅周辺の商店街は、昔ながらの下町の雰囲気、あるいは戦後の繁華街はかくやと思わせるような雰囲気が残り、それでいて人通りがきわめて多いという、まことに不思議な空間を形成しています。観光客の多くは素通りしてしまいがちですが、古き東京を感じてみたいという向きには、お勧めの一角となっています。