三嶋大社と富士を意識した駅舎が水の町に

三島

みしま
Mishima
三島駅
三島駅南口駅舎。2007年1月4日

 

三島駅在来線
写真1三島駅在来線ホーム。右手に見える電車は伊豆箱根鉄道駿豆線のもの。2007年1月4日

新幹線駅が併設されている東海道本線の中間駅ですが、伊豆箱根鉄道駿豆線との分岐駅でもあり、ひとつ西隣の沼津よりはひとまわり小さいものの、拠点駅としての風格が感じられます。

東海道本線は地平島式2面4線から成ります。三島駅が設けられたのは丹那トンネル開通後で(詳細は「歴史」欄を参照)、東海道本線の主要駅として十分な幅のホームを盛っています。

 

三島駅北口
写真2三島駅北口。店舗が駅前広場を取り囲む南口とは異なり、自動車の送迎のみが目立ちます。2007年1月4日

東海道新幹線の乗り場は在来線の北側高架上にあり、在来線コンコースとの間には中間改札があるほか、北口には直接出ることができます。こちらは新幹線にはきわめて珍しい島式ホーム1面2線で、その外側に通過線が設けられています。

構内は地下通路で連絡しており、出口は南北に設けられています。この地下通路に設置されているエレベータは、一部区間で完全に平らになりムービングウォークと同様の形状になるもので、設置された当時は非常に珍しいものでした。

北口側は長らく開発が遅れていたこともあって、駅前広場こそ立派であるものの市街地は形成されていません。三島駅の北側にある東レの工場へは専用線が伸びており、現在も貨物列車が行き来しています。

 

三島駅南口駅舎(2)
写真3横へとつながる流れに一体感があり、バランスのよい駅舎です。2007年1月4日

三島市の市街地は駅の南側に広がっており、メインとなっているのは南口です。南口の駅舎はカーブを描いた屋根が印象的な木造平屋建てのもので、駅前に整備されている広場の中でなかなかの存在感を示しています。駅舎は横に長く伸びており、三嶋大社を抱える三島市の玄関口として機能していますが、三嶋大社の社殿が必ずしもモチーフとなったわけではないようです。『駅のはなし 明治から平成まで』(成山堂)には、神保忠良の設計によるこの駅舎は切り妻の大屋根に、霊峰富士の緩やかな裾野の広がりをデザインと紹介されています。

三島からは伊豆箱根鉄道の駿豆線が分岐していますが、同線のホームはJR三島駅とは別になっています。なお、JRと駿豆線を直通する列車は、JRのホームに停車します。

三島は三嶋大社の鳥居前町として、また箱根越えの宿場町として栄えました。富士山が噴火した際に流出した「三島溶岩流」がこの地を覆っており、そこから湧出する地下水が市内各所を流れているため、水の都とも称されています。水路沿いに散策路が整備されているところも多いため、気軽なタウンウォーキングが可能な街といえます。

停車列車

確認中。

乗り場

駅本屋側(南側)から順に、1番線、2番線…となります。なお、伊豆箱根鉄道駿豆線も連番になっていますが、ここでは省略します。

  • 1.東海道本線下り 静岡、米原方面
  • 2.東海道本線下り 静岡、米原方面
  • 3.東海道本線上り 熱海方面
  • 4.東海道本線上り 熱海方面
  • 5.東海道新幹線下り 名古屋、新大阪方面
  • 6.東海道新幹線上り 新横浜、東京方面

駅名の由来

三島の地名の由来には、三嶋大社がこの地に遷座したことによるという説、大社が3つの州の神であることから三嶋という地名になったという説、清流に囲まれたこの地域が3つの島のように見えたことによるという説などがあり、判然としません。

歴史

丹那トンネル開通前は、現在の下土狩駅(御殿場線)が「三島」を称していましたが、開通後は熱海-三島-沼津がメインルートとなり、その際に現在の三島駅が設置されました。戦後、東海道新幹線が開業した当初は新幹線の駅は設置されませんでしたが、開通後4年以上を経過した1969年4月25日、新幹線の三島駅が設けられました。

略年表(クリックまたはタップで開閉)
1934年(昭和9年)12月1日
丹那トンネル経由の熱海-沼津間開通に伴い、一般駅として開業。
1969年(昭和44年)4月25日
東海道新幹線に三島駅設置。
1987年(昭和62年)4月1日
国鉄の分割民営化に伴い、JR東海およびJR貨物の駅となります。

駅周辺

確認中。

近隣の見どころ

楽寿園

楽寿園
写真A-1楽寿園。2007年1月4日

駅から南西へ、徒歩1分。鬱蒼とした森に囲まれた庭園で、小松宮彰仁親王の別邸として造営されたものです。三島の溶岩の上に多数の樹木が自生しており、国の名勝に指定されています。ただし、庭園の中心にある小浜池は、工業用水のくみ上げなどによって枯れていることが多く、露出した溶岩が生々しい姿をさらしています。楽寿園は現在は三島市立公園となっており、公園内には楽寿園のほか、乗り物に乗れる交通遊園地や動物園、郷土資料館などがあり、ゆったりとリラックスすることができます。入園料300円、月休。

愛染の滝

愛染の滝
写真B-1愛染の滝。2007年1月4日

駅から南東へ、徒歩2分。市街地の中に湧き出ている地下水が作っている小さな滝です。滝のまわりを樹木が取り囲み、その中にある溶岩塚は一見の価値あり。観覧自由。なお、かつてこの地には三嶋大社の別当持院である愛染院がありましたが、明治の神仏分離で消滅しています。

三嶋大社

三島大社出入口
写真C-1三島大社出入口。2007年1月4日
三島大社拝殿
写真C-2三島大社拝殿。2007年1月4日

駅から南東へ、徒歩8分。創建不詳の古社で伊豆国一宮であり、中世以降は暦の発行元としてその名を知らしめていました。現在の社殿は幕末の慶応年間に創建されたもので、本殿、幣殿および拝殿は国の重要文化財に指定されています。境内には天然記念物の大キンモクセイがあるほか、宝物館もあります。拝観自由。

その他

  • 第3回「中部の駅百選」(国土交通省中部運輸局)選定駅。

このページの先頭へ