山科盆地の拠点駅で、3社の鉄道路線が集結しているほか、東海道本線と湖西線との分岐駅となっています。なお、湖西線は名目上起点駅となっていますが、実際にはすべての列車が東海道本線に乗り入れて京都まで走っています。
築堤上にある島式ホームは2面4線が基本で、このほかに通過線が外側に走っています。改札は駅の南側にのみ1か所、地平に設けられており、ホームとの間は地下道で連絡しています。
鉄筋一部2階建ての機能的な駅舎があり、軒がぬっとせり出しています。駅の正面には地下道の入り口があり、ここが地下鉄への乗り換え口となっています。その脇に京阪山科駅があり、バスターミナルは地上を横切っている京阪京津線をわたってさらにその南側となっています。なお、駅の北側に出るには、駅舎東側にある地下通路を通ることになります。
東海道本線は、新逢坂山トンネルと東山トンネルの間に設けられているような格好になっており、山科盆地内唯一のJR駅です。
駅名の由来
科(階段状、段々)になっている山、つまり登りやすい山のある土地ということ
[1]という説がありますが、確証はありません。
歴史
京津間が新ルートに移行した際に設置された駅です。駅としては、京阪山科駅のほうが古くからありました。
- 1921年8月1日
- 東海道線の馬場(現・膳所)-京都を、新逢坂山トンネルおよび東山トンネルを経由してショートカットする新ルートが開業し、その中間に山科駅が設置されました。なお、旧ルート(大谷経由)にも開業(1879年8月18日)当初から「山科」駅が開設されましたが、この駅は現在の山科駅よりもはるかに南側に位置していました。
- 1974年7月20日
- 湖西線(山科-近江塩津)間が開業、分岐駅となります。
- 1986年11月1日
- 同日のダイヤ改正より、新快速が停車するようになりました(それまで、京都の次は大津に停車)。
周辺の見どころ
京都・お箸の文化資料館
駅から西へ徒歩3分。高級な塗り箸から外国の箸まで、古今東西の箸を多く展示しているほか、箸作りを体験することもできます。無料なので気軽に入れますが、箸とは直接関係ない絵が飾られているなど、なかなかディープな資料館でもあります。
- 村石利夫『JR・第三セクター 全駅名ルーツ事典』東京堂出版、2004年、29ページ。