道南随一の観光拠点駅

大沼公園

おおぬまこうえん Ōnumakoen
大沼公園駅
▲大沼公園駅駅舎《2016年4月23日撮影》

ホームは1面のみ

大沼公園駅ホーム(奥は旭川方)
【写真1】大沼公園駅ホーム(奥は旭川方)。《2016年4月23日撮影》

道南地区随一の観光拠点である大沼公園駅ですが、運転上の要衝となっている大沼駅とは異なり、片面ホームに1線のみの棒線駅です。ほぼ一直線のホームに、やや長めの上屋が設置されています。

側線のレールはやや貧弱

大沼公園駅ホーム(奥は函館方)
【写真2】大沼公園駅ホーム(奥は函館方)。《2016年4月23日撮影》

ホームの反対側には側線があり、特に荒れている気配でもないので、事業用車などが入線しているのでしょうか。本線とは異なり、レールは細く枕木も木製なので、貨物列車が入線することはなさそうです。

跨線橋などがないため、列車の乗り降りはスムーズです。

改札時には係員が事務所から出てきます

大沼公園駅改札口
【写真3】大沼公園駅改札口。《2016年4月23日撮影》

北海道らしく列車別改札になっており、改札口の上には案内表示が出ています。ラッチはなく、改札が始まると、駅係員が改札口脇の扉から出てきてきっぷをチェックします。

「みどりの窓口」があり、日中時間帯のみの営業ではありますが、それでも大沼駅よりは営業時間が長くなっています。また、壁に埋め込み式の自動券売機が設置されています。

駅舎内はゆったりと

大沼公園駅駅舎内
【写真4】大沼公園駅駅舎内。《2016年4月23日撮影》

大沼公園駅の駅舎内はかなりゆったりした作りになっており、待合室は天井が高いこともあって開放的な雰囲気があります。節電のため照明が落とされているところが多いせいか、暗くなっているのが少し残念。ベンチの数の多さ、モザイクタイルが敷き詰められた床面に、観光駅らしさがうかがえます。

玄関扉にも工夫が

大沼公園駅玄関
【写真5】大沼公園駅玄関。《2016年4月23日撮影》

駅舎は木造平屋建てながら、北海道でよく見られる直線的な屋根から成る平板なものではなく、斜線を多く用いて遊びのあるデザインになっています。駅を降りて最初にそれがうかがえるのが玄関の扉で、単なる長方形の窓ではなく、上側を狭めた変形六角形に仕上げています。その上には、地味ながらステンドグラスがはめ込まれています。ここを見るだけで、ほう、と思わせるよいデザイン。なお、玄関扉は両開きの引き戸ですが、内側から見て左側は固定されていました。

曲線を用いた正面

大沼公園駅駅舎を斜め前から
【写真6】大沼公園駅駅舎を斜め前から。《2016年4月23日撮影》

外に出て駅舎を見ると、なかなかの造形であることがうかがえます。木造平屋建モルタル仕上げながら、左右対称の作りに急傾斜の屋根、腰回りには石を配し、中央には曲線を用いて存在感を示しています。事務所側の窓枠が通常のサッシに変えられてはいるものの、待合室側の窓枠はおそらく昔の形状をよく残しているようです。

スマートな洋館駅舎は、現在でも観光拠点として十分な貫禄を見せています。やや正面がのっぺりした印象を与える感もあります。

駅前は観光地として整備

大沼公園駅駅前
【写真7】大沼公園駅駅前。《2016年4月23日撮影》

駅の正面はそのままフラットになり、大きな歩行者用通路がそのまま歩道へつながっています。駅の脇には観光案内所があるほか、駅周辺には飲食店が多数立地しています。駅前を行き来する観光客も多く、列車を利用する人、観光バスを利用する人がともに行き交う空間になっています。

停車列車 [2016年3月現在]

確認中。

駅名の由来

特記事項なし。

歴史

詳細は確認中。

1907年6月5日
北海道鉄道の大沼-赤井川間に、大沼公園仮停車場設置。
1907年7月1日
北海道鉄道の国有化に伴い、逓信省帝国鉄道庁の仮停車場となります。
1907年12月20日
この日かぎりで当分の間閉鎖(事実上の廃止)。
1908年5月25日
大沼公園仮停車場営業再開、夏から秋にかけて旅客(手小荷物含む)のみ営業開始。本稿ではこの日を開業日としています。
1917年6月1日
貨物営業開始。
1920年6月15日
名称を「大沼」仮停車場と変更。なお同日、旧・大沼駅は「軍川」と改称。
1924年11月11日
停車場に昇格。
1960年5月19日
この日かぎりで貨物営業廃止。
1964年5月1日
駅名を「大沼公園」に再変更。なお軍川駅は、1か月遅れの6月1日に「大沼」と再改称。
1987年4月1日
国鉄の分割民営化に伴い、JR北海道の駅となります。

周辺の見どころ

大沼

大沼(1)
【写真A-1】大沼に浮かぶ小島。《2016年4月23日撮影》
大沼(2)
【写真A-2】大沼にかかる橋。《2016年4月23日撮影》

駅周辺一帯。特に、駅から北東へ側へ5分ほどのエリアは、大沼に浮かぶ多数の小島や森の中を散策できるよう、橋や遊歩道が整備されており、散策に好適です。北側のセバットでは、大沼と小沼が両脇に一望できます。木々の織りなす景色は季節によって異なるため、時期を変えて訪れるのもよさそう。散策自由。

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