乗降客数日本一のマンモス駅

新宿

しんじゅく
Shinjuku
新宿駅
新宿駅東口。2004年9月30日

かつての駅本屋は東口

13番線から南側を見る
写真113番線から南側を見る。2006年6月25日

日本で最大の乗降客数を誇る駅にして、東京の中でも有数の繁華街の玄関口です。小田急、京王、東京メトロ、東京都各駅の新宿駅の他、西武新宿駅、新宿西口駅とも接続しています。

山手線と中央線を軸に、埼京線や特急列車が行き交い、いつも人でごった返しています。複数のコンコースがあり、いつもどこかで工事が行われています。小田急および京王との連絡改札も設置されています。

ホームがどのあたりの水準にあるかは駅の外からはなかなかわかりにくいのですが、地平に設けられています。ただし駅の北側には通称「大ガード」があり、駅南側には甲州街道がオーバークロスしているため、そうとはわかりにくくなっています。

地平駅舎時代の駅本屋が東口にあったため、番線は東側から順にカウントされます。東口には、国鉄時代の民衆駅「マイシティ」の後身に当たる駅ビル「ルミネエスト」があり、東口(北通路へ接続)および中央東口(中央通路へ接続)があります。

各ホームの間は、北側から順に、北通路(地下、東口および西口に接続)、中央通路(地下、中央東口、小田急中央西口および京王中央西口に接続)、南口・東南口コンコース(橋上)、旧新南口コンコース(橋上)で結ばれています(「旧新南口」とは妙な表現ですが、甲州街道南側の地平コンコースを指す公式名称がないため、本稿ではかつてここにあった改札口名を取ってこう表記します)。かつては地下コンコースに「アルプスの広場」というスペースがありました。

大きい駅なので、駅そのものが新宿の東西を大きく分けることになっており、このため東西自由通路を新たに設置工事中です(2020年7月完成予定)。この自由通路は北通路を拡幅し、現在の東口および西口の両改札口はこの自由通路に面する位置に移転するとのことです[1]

駅の規模は大きいのですが、上野や東京、品川とは異なり、供食設備がごく限られており、若干の立ち食いそばやパン系ファーストフード程度にとどまっています。長距離列車のターミナルという位置づけがある一方で、駅の外に出れば飲食店が星の数ほど広がっておることに加え、乗降客が多すぎて駅の中に滞留させられる人数が多くないためでしょう。

一番東は埼京線と湘南新宿ライン

1・2番ホーム(埼京線および湘南新宿ライン)
写真21・2番ホーム(埼京線および湘南新宿ライン)。2015年9月21日

1・2番ホームは、埼京線(相鉄・JR直通線含む)および湘南新宿ラインのホームとなっています。折り返し列車もある主要駅扱いですが、島式ホーム2面4線が確保されているとはいえ、複数系統が入り込んでいるため、常時混雑しています。特に、比較的長距離を走る湘南新宿ライン各列車の待機列がかなり長くなります。もっとも、新宿駅は特急線用ホームを除いて、だいたいどこも常時混雑しているものですが。ホームは駅中ほどからやや南側にずれているため、北通路からは出入りできません。

特急用ホームは南にずれて

5・6番ホーム(特急用ホーム)
写真35・6番ホーム(特急用ホーム)。撮影当時は中央線特急「あずさ」「かいじ」等も発着していました。2003年3月15日

特急線用ホームとなる5・6番ホームは、甲州街道から南側と、新宿駅の中で大きく南側に偏った位置にあります。これは、新宿駅中央付近にはすでにホームを確保できる場所がなかったためです。直接連絡している出入口は旧新南口コンコースのみで、それ以外の出口への連絡は、地下通路を通って北側にある中央通路へ抜ける必要があります。

【写真3】当時は中央線特急「あずさ」「かいじ」等が発着していましたが、現在ではこれらの列車は9・10番ホームからの発着となっており、現在の5・6番ホームは「成田エクスプレス」および東武線直通特急が発着します。

快速ホームが特急ホームを挟み込む

7・8番ホーム(中央快速線上り)
写真47・8番ホーム(中央快速線上り)。2015年9月22日

中央線は7番線から12番線までを占めており、このうち7・8番ホームは中央快速線上り、9・10番ホームは中央本線特急、11・12番ホームは中央快速線下りとなります。すなわち、特急線用ホームが真ん中、c快速用ホームがこれを挟み込む形になっています。

中央快速線ホームは上下それぞれに島式ホームになっていますが、朝ラッシュ時になると、これらのホームに相互に列車が進入することで、列車の発着がスムーズに行われるようになっています。

山手線と中央総武は方向別乗り換え可能

15・16番ホーム(山手線外回りおよび中央総武各駅停車西行)
写真515・16番ホーム(山手線外回りおよび中央総武各駅停車西行)。2015年9月22日

13番線から16番線は、山手線および中央総武各駅停車のホームです。13番線が中央総武各駅停車東行、14番線が山手線内回り(以上2線が同一ホーム)、15番線が山手線外回り、16番線が中央総武各駅停車西行き(以上2線が同一ホーム)です。整理すると、南方面および東方面に向かう列車相互、および北方面および西方面に向かう列車相互を、同一ホームで乗り換え可能となっています。

7~16番の各ホームは、南側に延長され、旧新南口コンコースへ直接出入りできるようになりました。

小田急や京王からも東口へ出入り可能

新宿駅東口ルミネエスト
写真6新宿駅東口ルミネエスト。2006年5月3日

前述の通り、東口の商業ビル「ルミネエスト」の地下1階に2つの改札口があり、ここに「みどりの窓口」やインフォメーションセンターが設けられています。地上各方面へ通じる出口がある他、駅北側の地下鉄丸ノ内線新宿駅への連絡通路を介して、新宿駅東西地下通路へ接続しています。この通路を通ると、紀伊國屋書店や伊勢丹新宿本店のある新宿三丁目方面へ地下道経由で進むことができます。

また、中央東口改札口脇には、小田急および京王線の自動券売機があります。また、小田急線および京王線(京王新線除く)の利用者もJRの入場券なしに中央東口改札口を出入りできます。これは、小田急および京王線が新宿駅東口出口を持たないことによりますが、JRから見た場合、西口が小田急百貨店内にあること(詳細は後述)、京王線中央西口および連絡通路が京王線新宿駅構内にあることから、バーターの扱いになっているのではと推測されます。

かつて駅本屋があった付近には「びゅうプラザ新宿」がありますが、駅の利用者としてはさしたる意味を持たず、乗降客の大半は地上から地下改札コンコースへ直行します。

西口は小田急百貨店の中に

新宿駅西口地下
写真7新宿駅西口地下。2003年4月14日

西口出口は小田急百貨店地下1階の中にありますが、自動改札機や自動券売機が並ぶ一帯はJRの駅そのもので、あまり小田急らしさはありません。それでも、改札を出てすぐの所に小田急百貨店各階へ直交するエレベーターがあり、階段を降りると小田急百貨店デパ地下へつながっています。このため、JR新宿駅から最も利用しやすいのが小田急百貨店になっています(旧新南口からは髙島屋が近い)。

改札口正面すぐに、新宿駅地下通路があります。一見すると広場ですが、公式には「道路」ということになっており、これが新宿駅地下ロータリーをぐるりと取り囲んでいます。ここから西へ直進すると、東京都庁を中心とした新宿副都心エリアに入ります。また、1階には新宿西口バスターミナルがあり、各方面へ路線バスが走っています。

西口を出て右手(北側)に進むと、東京メトロ丸ノ内線の新宿駅および都営地下鉄大江戸線新宿西口駅があり、また小田急ハルク(小田急百貨店の別館)に接続しています。

西口の他、小田急線新宿駅地下改札口脇に小田急中央西口(降車のみ、自動改札機のみ)があり、また京王線新宿駅百貨店口(地下)と隣接して京王中央西口(乗降とも可、有人改札あり、自動券売機あり)があります。いずれもJRの乗車券類だけで乗降可能ですが、私鉄のテリトリーに迷い込んでしまったような印象を受けます。また両社とも、地下に連絡改札口があります。

かつて新宿西口バスターミナルがヨドバシカメラ前にあった時は、京王中央西口から直進してバス乗り場へ地下道のみで移動できました。

駅の西口は、高度成長期以降超高層ビルが建ち並び、日本を代表する一大ビジネス街となりました。これは、東京都庁が有楽町(現在の東京国際フォーラムの位置)から淀橋浄水場跡地へ移転したことで決定的となっています。また、日本を代表する家電量販店となったヨドバシカメラの本店があり、同店を取り囲むように雑多な商店が雑居ビルの中に並んでいます。インテリジェンスな空間とカオティックな空間が隣り合わせになっているのが新宿西口といってよいでしょう。

南口は甲州街道に面して

新宿駅南口
写真8新宿駅南口。2016年6月19日

前述の通り、新宿駅は甲州街道(国道20号線)をアンダークロスしていますが、この甲州街道沿いに南口コンコースがあります。

メイン改札といえる南口改札は甲州街道に面しており、道路に沿って自動改札機と「みどりの窓口」があります。歩行者の多い国道に直接面していることもあり、人の滞留が少なく、いささかせわしない場所になっています。このほか東南口改札があり、これは南口コンコースの東側へ出ることができます。いずれも、道路および通路からすぐの所に改札口があるため、雨天時には特に混雑します。

南口に隣接して小田急線新宿駅南口改札があります。また、両社の南口コンコースはつながっており、乗り換え改札口があります。

JR駅とは離れているルミネ2

新宿駅ルミネ2
写真9新宿駅ルミネ2。2004年9月30日

新宿駅東口には「ルミネエスト」、南口から東側には「ルミネ1」がありますが、さらに小田急新宿駅南口から西側には、JR駅から切り離された形で「ルミネ2」があります。京王線は、新宿付近が併用軌道だった当時、ここをターミナルにしていましたが、現在ではサインシステムなどが全てJR東日本の様式になっています。ルミネ1とルミネ2の間に、小田急系列の「ミロード」が挟まり、またルミネ2から地下に降りると、京王新線新宿駅に至ります。各社のテリトリーが複雑に入り組んでいます。

甲州街道向かいに新南口

新宿駅新南口
写真10新宿駅新南口。現在は「バスタ新宿」になっています。2007年5月26日

「バスタ新宿」整備前は、南口と甲州街道を挟んだ反対側一帯に「新南口」というコンコースおよび出口がありました。当時は甲州街道に面した出口を新設するという形でしたが、その後甲州街道南側一帯に人工地盤を設けるという壮大な計画の基に整備が進められました。

JRバスターミナルも

旧JRハイウェイバス乗り場
写真11旧JRハイウェイバス乗り場。2004年9月30日

新南口コンコースの下側(1階部分)にJRハイウェイバスの乗り場がありました。距離では新南口が一番近いのですが、実際に歩いて行くには東南口からガード下を通る方が早く着きました。

その後、乗り場は代々木駅脇に移転し、さらに「バスタ新宿」開業によってこれに統合しています。

旧新南口コンコースも大きく変わりました

写真12新宿駅サザンテラス口。2011年4月10日

新南口コンコースの改札口は長らく1カ所のみでしたが、さすがに手狭だったため、JR東日本本社ビルに近い所に「サザンテラス口」が設けられました。「サザンテラス」は小田急系列の商業エリアで、JRがこの名称を使うのはやや奇異に感じたものですが、さすがに「JR東日本本社口」とするわけにもいかなかったのでしょう。

その後、旧新南口コンコースには、これに接して商業施設「NEWoMan」が進出、出口も、北側の甲州街道改札(旧・サザンテラス口)、東側のミライナタワー改札、南側の新南改札(旧・新南口)の3つが整備され、利便性も大きく向上しました。2016年4月にオープンした統合型バスターミナル「バスタ新宿」へのアクセスもよくなっています。

西側には、JR東日本の本社ビルが建ち、また道路を挟んで(歩行者はブリッジで連絡可)JR総合病院があります。また東側には、かつての新宿貨物駅跡地に整備されたタカシマヤタイムズスクエアや紀伊國屋書店新宿南店が直結しています。

停車列車

確認中。

乗り場

東側から順に、1番線、2番線…となります。

  • 1-2.埼京線南行 大崎、新木場、海老名方面/埼京線北行 大宮、川越方面/湘南新宿ライン南行 横浜、大船方面
  • 3.埼京線北行 大宮、川越方面
  • 4.埼京線北行 大宮、川越方面/湘南新宿ライン北行 大宮、宇都宮、高崎方面
  • 5-6.特急「成田エクスプレス」/東武直通特急
  • 7-8.中央線快速上り 御茶ノ水、東京方面
  • 9-10.中央本線特急 甲府、松本方面
  • 11-12.中央線快速上り 中野、立川方面
  • 13.中央総武各駅停車東行 秋葉原、千葉方面
  • 14.山手線内回り 渋谷、品川方面
  • 15.山手線外回り 池袋、田端方面
  • 16.中央総武各駅停車西行 中野、三鷹方面

駅名の由来

確認中。

歴史

JR化後の変化が非常に激しい駅です。

略年表(クリックまたはタップで開閉)
1885年(明治18年)3月1日
開業。
1976年(昭和51年)3月10日
南口にターミナルビル「ルミネ」開業[2]
1987年(昭和62年)4月1日
国鉄の分割民営化に伴い、JR東日本の駅となります。
2016年(平成28年)3月25日
新南口東側に「JR新宿ミライナタワー」開業[3]
2016年(平成28年)4月4日
新南口直結のバスターミナル「バスタ新宿」開業[4]

駅周辺

確認中。

近隣の見どころ

確認中。

その他

  • 第4回「関東の駅百選」(国土交通省関東運輸局)選定駅。

参考文献等

  • 『鉄道ピクトリアル』No.908(2015年10月号)電気車研究会、10-73ページ。
  1. 東日本旅客鉄道 プレスリリース「新宿駅周辺が回遊性のある交流拠点へと進化します (2012年9月4日)。
  2. 『鉄道ピクトリアル』No.321(1976年6月号)電気車研究会、67ページ。
  3. 東日本旅客鉄道 プレスリリース「新宿の新ランドマーク「JR新宿ミライナタワー」が3月25日いよいよ開業 (2016年3月18日)。
  4. 東京新聞「バスの新玄関口「バスタ新宿」開業 「快適」「分かりやすい」(2016年4月4日)。 ※2020年4月28日リンク切れ

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