どうしてこんな場所に駅が
東山の先で函館本線はカーブを重ねながら下り坂を進んでいきます。その下り勾配の途中、どうしてこんなところで、と思うような場所に停車すると、そこが姫川駅です。もっとも駅は浅めの切り通しの中に設けられているため、列車の中、あるいはホーム上から駅周辺の様子をうかがうことはできません。
このページは、駅廃止前の情報をもとに記載しています。
東山の先で函館本線はカーブを重ねながら下り坂を進んでいきます。その下り勾配の途中、どうしてこんなところで、と思うような場所に停車すると、そこが姫川駅です。もっとも駅は浅めの切り通しの中に設けられているため、列車の中、あるいはホーム上から駅周辺の様子をうかがうことはできません。
国鉄時代は信号場だったという出自もあって、姫川駅は相対式ホーム2面2線から成り列車交換が可能である一方、駅の設備自体はずいぶんとシンプルで、両ホームの間は切り欠け式の構内踏切で結ばれています。
特に、上りホームがずいぶん短いことは特徴のひとつといえます。仮乗降場から昇格した駅でも、その多くではホームの長さは列車2両程度はあるものですが、ここ姫川駅上りホームでは、1両ぶんあるかどうかという状態です。実際にワンマン列車が規定の位置に停車した場合、キハ40系の後扉での乗降はいささか無理がありそうです。いわゆる“朝礼台”ほどではないものの、それに準じる設備です。
駅本屋は上り側ホームから階段を上った先にあります。これは駅が切り通しの中に設けられていることによります。なお、ホームからのアプローチとしては、現行の階段の左側にももうひとつ階段があったようですが、こちらはすでに柵でふさがれており、通行できなくなっています。かつて職員が待機していた信号場時代、通用路として使われていたものでしょうか。
駅舎内のスペースは小さめですが、ベンチやくず物入れなどがあり、列車待ちをするのには十分です。ただし、駅舎の半分以上は保線などの業務用スペースになっているため、利用者の使える部分はそう広くはありません。
駅舎内には「線路内及びホーム外への立ち入り及び写真撮影は列車の運行に支障いたしますのでご遠慮ください」と書かれた張り紙が、函館支社名で掲示されていました。実際、この姫川駅でホームから降りたところで三脚を構える人を、列車内から複数回見たことがあります。困ったことで、やめていただきたいものです。
前述のとおり、線路は駅舎より低い位置にあるため、列車がくるとよく見えます。特に函館方は右側に緩やかなカーブを描いているため、いわゆる“鉄道写真”を撮らない向きであっても、ここから函館方のアングルはなかなかのものになるのがうかがえます。
駅舎前には、コンクリート造の囲いのようなものがあります。信号テコにしては狭く、用途がよくわかりません。
駅前にはそこそこ広い空間がありますが、信号場兼仮乗降場上がりの駅に共通するように、広場として整備されたというより、必要に迫られてその部分を整地したような印象があります。
ここからは、線路に向かって垂直方向(正面)、並行方向(左手)の2方向に通路が延びています。ただし左手の通路を進むと、ほどなく「駅構内につき立入禁止」という標識が出ます。この先は線路に出るのみで行き止まりだそうです。すなわち正解は、駅から正面への道ということになります。
そういうしだいなので、外に出るには正面の道を進みます。自動車の行き違いが難しい程度の道路で、両脇には林が茂っています。
左へカーブしてしばらく進むと、ぽつぽつと民家が見えてきますが、集落と呼べる規模ではありません。このあたりを散策しただけでも、駅勢圏の人口はかなり限られたものであることが推測されます。
この道をさらに進むと、やっと自動車がまともに離合できる2車線の道路に出ます。その道路への出口に、姫川駅への入口を示す標識がありますが、どう見ても鉄道会社や地元自治体が作ったものではなく、これまでの道路沿いの住民によるお手製のもののようです。単に駅名を示すだけではなく、ご丁寧に汽車ポッポになっており、寒い中でこれを見たときに思わずほほえみました。本来ならば個人宅の名前などは伏せておくべきものでしょうが、自動車が通行する往来上にわざわざ掲示されているため、弊サイトではあえてそのまま写真を掲載いたします。
ここを左折すると、セイコーマートの流通拠点がありますが、店舗があるわけではないため、旅行者が何かモノを買えるわけではありません。この周辺も、林に囲まれた高原地帯という趣で、集落という状態にはなっていませんでした。
普通列車のみが停車し、特急、急行および快速「アイリス」は通過します。また普通列車も、この区間を通る列車のうち下り1本は通過します。
東側(駅本屋側)から順に、1番線、2番線となります(駅設置の時刻表掲示による)。
確認中。
信号場が仮乗降場となり、JR化に際して駅に昇格したものです。
確認中。