東北地方における中核駅

仙台

せんだい Sendai
仙台駅
▲仙台駅駅舎《2008年7月12日撮影》

ホームが地平と地下と高架とに

仙台駅東北本線1番ホーム
【写真1】仙台駅東北本線1番ホーム。《2016年3月27日撮影》

仙台駅は、杜の都仙台の中心駅であるとともに、東北地方における旅客拠点駅といっても差し支えないでしょう。山形新幹線開業や仙石線地下化に伴い機能がかなり動いた面もありますが、東北新幹線の全便が停車し、JR東日本では首都圏を除き圧倒的に多い乗降客数を誇っています[1]

路線図上では東北本線、仙山線、仙石線、東北新幹線の各線が分岐する駅となっています。これら各線のうち、東北本線と仙山線が地平ホーム、仙石線が地下ホーム、東北新幹線が高架ホームとなっています。これら3つは完全に線路が分かれており、車両の行き来はできません。

跨線橋と地下道と

仙台駅東北本線4番ホーム
【写真2】仙台駅東北本線4番ホーム。《2016年3月27日撮影》

地平ホームのうち、1番線から6番線が東北本線系統(仙石東北ライン、常磐線を含む)、7番線と8番線が仙山線系統になっています。最も西側にある1番線は駅ビルの中に組み込まれるような形になっており、このため天井部分が覆われるようになっているため、やや暗くなっています。現在では優等列車が完全に消滅しており、整備された長大ホームに編成の短い普通列車のみがちまちま出入している状況なので、ホームの端のほうにいくとさびしさが先に立ちます。

各ホームは跨線橋と地下道で連絡しており、跨線橋からは西側の中央改札口、東側の仙石線連絡通路へと通じているほか、駅の東西を結ぶ自由通路へつながる東口改札口が設けられています。また、地下道は西側にのみ延びており、地下南口改札口から地下鉄方面への乗り換えが便利になっています。

駅の規模の割には通路が単純であるため、列車の到着直後には人が集中しやすくなっています。接続列車には余裕をもって行動するのがよいでしょう。

仙石線はJR化後に再度地下化

仙台駅仙石線ホーム
【写真3】仙台駅仙石線ホーム。《2008年7月12日撮影》

仙石線の乗り場は、地平ホームから大きく離れた地下にあります。地下化される以前は、東北本線・仙山線の北東側に頭端式の地平ホームを備えていましたが、現在はさらに東側へ移設されたうえ、起点が仙台駅西側のあおば通へ移ったこともあり、島式ホーム1面2線という単純な構成の中間駅仕様となりました。もちろん、東北本線や仙山線、東北新幹線と同一駅であることには変わりなく、このため跨線橋から長大な通路が設けられています。

仙石線は、東北本線および仙山線とは異なり直流電化されており、駅間距離も国鉄時代から短く頻繁な運転が行われていました。これは、もともと私鉄の宮城電気鉄道として開業したことによるもので、開業当時の仙台駅は日本初の地下駅でした。国有化後に地上東口に移転し、さらに仙台市内地下化に伴い再度地下駅化されたことになります。

新幹線ホームは全体が覆われています

仙台駅新幹線12番ホーム
【写真4】仙台駅新幹線12番ホーム。《2008年7月13日撮影》

いっぽう、新幹線のホームは在来線よりも高い位置にあります。ページ先頭に掲げた駅舎外観を見てわかるとおり、ホーム全体が壁で覆われているため風の吹き込みはあまりなく、ある程度保温性は維持されていますが、やはり寒々しい印象は拭えません。

新幹線ホームの天井は丸見えに

仙台駅新幹線13・14番ホーム
【写真5】仙台駅新幹線13・14番ホーム。《2016年3月27日撮影》

かつては【写真4】のようにホーム上の天井が化粧板で覆われていましたが、2011年3月に発生した東日本大震災の際に天井から多くのものが落下したことを受けたのか、復旧後は【写真5】のように天井が丸見えになっています。なお、ホーム自体は震災による被害はそれほど大きくはなく、このため階段回りなどに国鉄時代の造作の名残がうかがえます。

2階コンコースは圧迫感なし

仙台駅在来線改札口
【写真6】仙台駅在来線改札口。《2008年7月12日撮影》

地平ホームから跨線橋へ進み、西へ出ると中央改札口があります。改札内には飲食店を含めて店舗がいろいろと入っており、改札口を通ってからの飲食もできます。

この改札口は線路(ホーム)と垂直に設置されています。改札口の上には、新幹線開業前の旧駅舎に設置されていた大時計を模した、アナログ表示の時計が掲示されています。

中央改札口前のコンコースは2階にあたります。天井がかなり高いためあまり意識されないのですが、枡模様が施されており、圧迫感を持ちにくいつくりになっています。

新幹線コンコースは3階に

仙台駅新幹線改札口
【写真7】仙台駅新幹線改札口。《2008年7月13日撮影》

いっぽうの新幹線改札口は3階にあり、在来線とは異なり線路(ホーム)と平行に設置されています。在来線と新幹線を明確に分離することで、動線の分離を図ったのでしょう。

改札前の空間からは2階および3階のコンコースを一望でき、待ち合わせ場所にもなっています。改札口を入った正面の新幹線コンコース内にも飲食店や売店が入っており、特に東京へ向かう旅客が多数利用、改札外よりもむしろ混んでいるようです。

2階を通って3階へ

仙台駅3階コンコース
【写真8】仙台駅3階コンコース。《2008年7月13日撮影》

以上をまとめると、1階=在来線(東北本線および仙山線)ホーム、2階=在来線コンコース、3階=新幹線コンコース、4階=新幹線ホーム、という4層構造になっていることがわかります。このうち、駅前のペデストリアンデッキに連絡しているのは2階なので、在来線、新幹線のいずれに乗り降りする際も、必ず2階を通る構造になっています。

人の動きが滞ることも

仙台駅3階コンコースから2階を見る
【写真9】仙台駅3階コンコースから2階を見る。《2008年7月13日撮影》

中央コンコースは在来線の西側に設けられており、2階に在来線コンコース、3階に新幹線コンコースがあります。駅前のペデストリアンデッキから入ってきた旅客は、そのまま奥のほうへ進めば在来線改札口に、エスカレーターに乗れば新幹線改札口へ向かうことができます。2階コンコースの入り口に立つと天井が非常に高いため開放感がありますが、人の出入りが大きいことに加え、大きな荷物を持った旅行客の滞留が見られるため、慢性的に混雑している印象があります。開放感と機能性を両立させている設計は悪くないのですが、人が“溜まる”空間であることへの配慮が乏しいような印象を受けます。

吹き抜け部分にはステンドグラス

仙台駅中央コンコース吹き抜け部分
【写真10】仙台駅中央コンコース吹き抜け部分。《2008年7月13日撮影》

前述のペデストリアンデッキへつながる西口前は吹き抜けになっており、待ち合わせ場所として使われることが多いという縦長のステンドグラスが目を引きます。また、観光案内所が設置されています。

駅ビルもやや地味に

仙台駅前広場
【写真11】仙台駅前広場。《2008年7月13日撮影》

仙台駅の西口には駅ビル「S-PAL」が建ち、駅舎はこれと一体化しています。駅を降りた旅客は、南側のショッピング街、北側の「牛たん通り」「すし通り」と呼ばれる一角へアクセスできます。後者は、牛たんや寿司を比較的安価で提供する飲食店が入居しており、新幹線待ちの利用者でにぎわっています。ただし、駅ビルも新幹線開業から30年以上を経た今となっては、駅前に並ぶ高層ビルに比べて地味な印象を与えます。

大きなペデストリアンデッキが

仙台駅前ペデストリアンデッキ
【写真12】仙台駅前ペデストリアンデッキ。《2008年7月13日撮影》

駅の外に出ると、幅の広い立派なペデストリアンデッキが伸びています。地方都市の駅前にペデストリアンデッキが整備されているのは今となっては珍しくもありませんが、駅前を通る道路の各コーナーの隅々まで通路が延び、それらの幅員にも十分な余裕を持たせており、規模としては日本有数のものといえ、未確認ですが日本一の規模という声もききます。もっとも、地下街のない仙台ではこれくらいの設備があって当然、という見方もあるかもしれませんが(あおば通駅方面へ向かう地下道はあります)。この西口には、大規模商業施設や金融機関などが集中的に立地しており、一大繁華街を形成しています。

いっぽうの東側には、仙石線改札を除いてJRの改札口は特に設けられておらず、2階コンコース南側から東へ延びる自由通路を通って抜けた先にある東出口がアクセス拠点になります。以前は低層のビルなどが雑然と立地する、いわゆる“駅裏”の雰囲気が濃い一角でしたが、ヨドバシカメラの進出をきっかけに再開発が進み、その様相を大きく変えています。

交通の要衝であり長距離列車の利用客が多いこともあってか、駅弁の販売が盛んで、複数業者がしのぎを削っており、その種類は日本一を誇ります。

停車列車 [2016年9月現在]

東北新幹線

すべての列車が停車します。

  • 新幹線「はやて」「こまち」 大宮仙台盛岡※1
  • 新幹線「やまびこ」 白石蔵王※2仙台古川
  • ※1 一部の「はやて」「こまち」は、古川または一ノ関に停車。
  • ※2 便によって、白石蔵王を通過し、福島に停車。

東北本線

すべての列車が停車します。

仙石線

すべての列車が停車します。

仙石線

始発駅で、当然ながらすべての列車が停車します。

  • 快速 東照宮※3仙台
  • 普通 東照宮仙台
  • ※3 一部の快速は東照宮を通過し、北仙台に停車。

乗り場

東北本線および仙山線ホームについては、長距離列車や臨時列車などでホームが異なる場合があるため、特に東北本線列車については目安程度のものです。西側(駅本屋側)から順に、1番線、2番線…となります。

仙石線(9番線、10番線)は1面2線の単純な構成です。北側が9番線です。

東北新幹線は2面4線ですが、便によって入線する番線が大きく異なります。西側から順に、11番線、12番線…となります。

  • 1.東北本線下り 岩切、小牛田方面
  • 2.東北本線 (方向不定)
  • 3.東北本線上り(仙台空港鉄道直通列車) 仙台空港方面
  • 4.東北本線 (方向不定)
  • 5.東北本線上り 岩沼、福島方面
  • 6.東北本線上り 岩沼、福島方面
  • 7.仙山線 作並、山形方面
  • 8.仙山線 作並、山形方面
  • 9.仙石線上り あおば通方面
  • 10.仙石線下り 本塩釜、石巻方面
  • 11.東北新幹線 (方向不定)
  • 12.東北新幹線 (方向不定)
  • 13.東北新幹線 (方向不定)
  • 14.東北新幹線 (方向不定)

駅名の由来

確認中。

歴史

詳細は確認中。

1887年12月15日
郡山-仙台-塩竃(現在は廃止)間が開通した際に、仙台駅開業。
1906年11月1日
日本鉄道が国有化され、官設鉄道(逓信省鉄道作業局)の駅となります。
1925年6月5日
宮城電気鉄道によって仙台-西塩釜間が開業、始発駅として仙台停留場開設。この当時は東北線をアンダークロスし、西口に地下駅が設けられていました。東口には別途「東七番丁」(ひがししちばんちょう)停車場を設置。
1929年9月29日
仙山東線(現在の仙山線)仙台-愛子間が開業、当時の中間駅は北仙台、陸前落合のみでした。
1944年5月1日
宮城電気鉄道が国有化され、国有鉄道(運輸通信省)仙石線の駅となります。これにあわせて、東七番丁停車場を廃止して仙台東口仮乗降場を設置。
1949年--月--日
新駅舎(震災復興後の駅舎)供用開始。
1952年5月31日
この日かぎりで仙石線仙台駅を廃止、仙台-仙台東口間は列車運休。
1952年9月26日
仙台東口仮乗降場を廃止、仙台停車場に統合。
1972年--月--日
新駅舎(新幹線開業前の仮駅舎)供用開始。
1977年12月15日
新駅舎(現在の駅舎)供用開始[2]
1978年3月--日
ターミナルビルが開業し「S-PAL」営業開始。
1982年6月23日
東北新幹線の大宮-盛岡間が開業し、仙台駅設置。
1987年4月1日
国鉄の分割民営化に伴い、JR東日本の駅となります。
2000年9月22日
仙石線の地下化に伴い仙台駅ホームが地下化され、同線始発駅があおば通駅に変更。
2008年4月1日
東口駅前広場オープン。
2011年3月11日
東日本大震災が発生、東北本線などが大規模に運休。
2011年3月28日
仙石線・あおば通-小鶴新田間が復旧、営業再開。
2011年3月31日
東北本線・仙台-岩切間が復旧、営業再開。
2011年4月2日
東北本線・名取-仙台間が復旧、営業再開。
2011年4月4日
仙山線・仙台-愛子間が復旧、営業再開。
2011年4月7日
この日発生の余震により、再び東北本線・黒磯-盛岡間、東北新幹線那須塩原以北、仙山線、仙石線が運休。
2011年4月12日
東北本線・福島-仙台間が復旧、営業再開。
2011年4月21日
東北本線・仙台-一ノ関間が復旧、営業再開。

周辺の見どころ

確認中。

その他

  • 「東北の駅百選」(国土交通省東北運輸局)選定駅。
  1. 2015年度現在の乗車人員は84,964人で、JR東日本全体では51位です。首都圏以外で仙台に次ぐのは新潟(37,446人、117位)。出典:JR東日本公式Webサイト
  2. 『鉄道ピクトリアル』No.346(1978年4月号)電気車研究会、81ページ。

このページの先頭へ